人間関係と学校の悩み#9
コロナで休校。気分が落ち込んで涙が出てくる
- 心身の不調
- 体験談・インタビュー
2021年に行われたオンライン相談会「YouTube Live 友達付き合い・自分の気持ちがわからない」の書き起こしです。
人間関係がつらい。自分が分からない。学校ってどれくらい大事?YouTube Liveのプレイリスト
前回は「劣等感を感じてしまう」についてでした。
今回は、「外に行けずつい考え事をしてしまう」についてです。
ゲスト:井上祐紀先生(児童精神科医/子どものこころの専門医)
MC:太田尚樹さん
Mex(このサイト)がやっているYouTube LiveでMCを担当しています。
Mex(このサイト)がやっているYouTube LiveでMCを担当しています。
投稿紹介~涙が出てくる・つらい~
次にいただいているお悩みを紹介していきたいと思います。
”もう嫌だ。なんで涙が出てくるんだろう。テンションの上がり下がりが激しい。死にたい死にたい死にたい死にたい。”(小学生くらい)
”ちょっと前までおっきい夢を糧に生きてたのにどうでも良くなっちゃって。そんな自分が嫌で。ずっと求めてきた一人の時間がとても虚無。頑張っているフリして溶け込んで、でも張ってないのは自分だけって気づいて孤独感じて。誰かに相談する暇あるなら努力しろよって自分に言う。弱いくせして誰かの相談聞いて、救った気になって。1番かっこ悪いし、気持ち悪い。”(中学生くらい)
”一週間前の2日間ほどずっと泣いていて、つらくて悲しかったです。今は普段の涙もろさすら無くなって、とても落ち着いています。でも気持ちがどん底だったあの時のことがとても気になってしまいます。”(10代後半)
”もう疲れた。自分のことがよくわからない。自分が何をしたいのか、何をすればよいのか。考えすぎて頭がパンクするし、いくら考えても答えが見えないことがつらい。つらい。もう疲れて許されたい。”(高校生くらい)
”外に行けず暇なので、つい考え事をしてしまう。心を落ち着かせる方法が知りたい。”(中学生くらい)
いろいろな事情がある中で、みなさん気分の落ち込みというのを感じている投稿だったかなというように思いました。落ち込んだ感情とか、ネガティブな気持ちというのは、一時的なものなんですか?あるいはずーっと続くものなのか。
特に、新型コロナウイルス感染症で学校がお休みになって、無尽蔵な時間ができて、家にずっといて、自分の行動は制限されていて、と二重三重の負担が子どもたちにかかっていると感じます。
だから「外に行けず暇なので」という言葉の通りで、もともとつらさを持っていないにせよ、無尽蔵に家の時間が増えちゃったというのがすごいつらいってことはありえます。だから、このコロナ期間というのは、本当に子どもたちにとっては、酷だと思います。
だから「外に行けず暇なので」という言葉の通りで、もともとつらさを持っていないにせよ、無尽蔵に家の時間が増えちゃったというのがすごいつらいってことはありえます。だから、このコロナ期間というのは、本当に子どもたちにとっては、酷だと思います。
そしてこれらの反応は、たくさんの子たちが今感じていることではないかなとも思います。まず大事なことは、「こんなことを感じているのは私だけ?」って思わないことです。
この状況、こんな年ってある意味非常事態なので、非常事態でつらい気持ちを抱えている方が今どんどん増えています。学校もイレギュラーだったし、家にずっといる。家族とずっといること自体が僕は異常だと思うんです。
この状況、こんな年ってある意味非常事態なので、非常事態でつらい気持ちを抱えている方が今どんどん増えています。学校もイレギュラーだったし、家にずっといる。家族とずっといること自体が僕は異常だと思うんです。
家族とずっといること自体が異常?
家族って本当はちょっと一緒にいればいいんですよね。ご飯を食べるときくらいでいいではないですか?朝から晩まで一緒にいないほうがいいですよね。
だから、「この何カ月というのは、異常事態だったんだ。自分がおかしいのではなくて、世の中がおかしかったよね」って思うことです。「こういう緊急事態において、自分たちのからだと脳が色んな反応を起こしているんだ」ということを、ぜひ感じていただけるといいかなと思います。
だから、「この何カ月というのは、異常事態だったんだ。自分がおかしいのではなくて、世の中がおかしかったよね」って思うことです。「こういう緊急事態において、自分たちのからだと脳が色んな反応を起こしているんだ」ということを、ぜひ感じていただけるといいかなと思います。
つまりこれ、健康問題なんです。コロナ関連障害といって、コロナそのものにはかかっていないけど、コロナ関連の時期にある部分がすごく悪くなった子というのは、コロナ関連の健康問題を抱えている可能性があるので、これは健康問題として考えるべきなのだと思います。
今そのような健康問題の1つとして、つらい気持ち、不健康な状態が結構長く続いちゃっている子もいると思うんですけど、元のリズムに戻らない時には、どうしたら良いんですか?
どうやって生活リズムを戻したら良い?
分散登校からフルタイムの登校になって、戻っていく子もかなりたくさんいらっしゃいます。一方で不健康な状態が2週間、4週間と長期化するというのは、健康を少し崩してしまっている可能性があるので、始まったばっかりの学校の授業とか課題についていけないかなって思ってしまうかもしれないですよね。
まだ自分のエネルギーが完全には元には戻っていないんだとしたら、先生たちが出す宿題を全部やるのは酷かもしれませんね。1限から6限まで全部出るというのも酷かもしれないです。
つまり、健康が害されているんだとしたら、負担を減らしてあげないといけない。
つまり、健康が害されているんだとしたら、負担を減らしてあげないといけない。
言えば、よほどの学校ではない限りはもちろんちゃんと休ませてくれると思うんですけど、それ以前に「休んでる自分のことにダメ出ししない」というのは大事です。コロナでなくても、インフルエンザにかかっちゃったら、何日間かは寝なきゃいけないじゃないですか。健康状態が悪いというのは、それと全く同じです。
ですので、休んでいる自分にまずダメ出ししないことが大切です。課題を減らしてでも、負担を減らしてでも、自分の健康を守ろうとしている自分に、絶対ダメ出ししないようにしましょう。もちろん親たち教師たちも、絶対にダメ出ししちゃいけません。
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