人間関係と学校の悩み#1
いじめられてる原因探しをしてはいけない理由
- 暴言・無視・ひいき
- 心身の不調
- 体験談・インタビュー
コロナの影響で家にいる時間が多くなり、ストレスが溜まってくる中、友達、クラスメイトとの関係がうまくいかないということもあったりすると思います。 今回は、「いじめられてる原因探しをしてはいけない理由」についてです。
登場人物紹介
ゲスト:井上祐紀先生(児童精神科医/子どものこころの専門)
MC:太田尚樹さん
前回のYouTube Live「親が重い・逃げたい」に引き続き、MCを務めます。
前回のYouTube Live「親が重い・逃げたい」に引き続き、MCを務めます。
さて、コロナによる長い休みを経て、学校が通常通りに戻ってきている中で、友達付き合いや、自分の気持ちとの向き合い方などについて悩んでいるケースがあると思います。
今回のこのYouTube liveは、そういう時にどうやって心の整理をつけたら良いのかや、誰に相談できるかなどを一緒に考えていきます。 実際に色んな人の相談に乗る仕事をされている井上さんに、具体的な方法などを聞きながら進めていきます。
それでは、今日は、もうさっそくたくさん頂いておりまして、お便りをご紹介しながら、進めていきたいと思います。いくつか読んでいきます。
それでは、今日は、もうさっそくたくさん頂いておりまして、お便りをご紹介しながら、進めていきたいと思います。いくつか読んでいきます。
お便り紹介~いじめの経験~
”部活で毎日同級生皆から無視されます。つらい。ある日急にされるようになりました。私のプレーが下手だからと思っていましたが、好きだから辞めたくないです。毎日泣いています。負けたくないけど、疲れてきました”(中学生)
”どうすれば良いかわからなくなってしまいました。これから文化祭で劇をやるのですがその練習中の際寝てしまいました。そしたら、主演を務める2人にちゃんやる気あんの??ねぇ?と責められてしまいました。しかもクラスの女子ほとんどにこの話が行き渡り無視される事がほとんどでどうすれば良いのか分からないです。つらいです、、ぶっちゃけ言えば死にたいです。”(中学生)
”友達が急によそよそしくなって、何かした身に覚えもないのに、Instagramのストーリーズで愚痴を書いていました。もう疲れました、助けてください。”(高校生)
”学校が自分に、合ってなくて、学校が始まってから、ネットでの嫌がらせや、学校に行ったら影で言われたりその態度を外に出されたり、嫌な思いをしています。クラスに入るのも嫌で友達関係がうまくいっていません。学校に行くのが嫌でなにも楽しくないです。”(中学生)
少し自分自身も昔のことを思いだします。すごくいじめられたり無視された時期がありました。様々な事情というか理由というか、考えがあるのかもしれないと思うのですが、どうしていじめとかはそもそも起きるのですか?
はい。本当に今日声を届けてくださった皆様本当に勇気を持って、自分のつらい体験をこうやって送ってくださって、本当にすごいなあと思います。大体こういうつらい体験を受けた方が次に考えるのは、今太田さんがおっしゃったように、「このいじめだか何だか知らないけど、なんでこんな事って起きたんだろう」っていう「なんで探し」が始まる事がすごく多いですよね。
いじめの原因は探さない方が良い?
先ほどの方も、「私のプレイが下手だからなのかな」とかいったような、主に自分の粗探しが始まっちゃったり、「何かコミュニケーションの中での誤解が元なんじゃないか」と思ったり、なんで探し・理由探しが始まってしまいます。
太田さんの今投げかけてくださった、なんで起こるのかというその問い自体が、このいじめや不適切な行動に対して起きる(典型的な)反応なのです。とってもつらい反応です。こういう辛い事をされた時に、絶対になんで探し・理由探ししない事を私はお勧めします。これは私なりにちょっとした理由があります。
太田さんの今投げかけてくださった、なんで起こるのかというその問い自体が、このいじめや不適切な行動に対して起きる(典型的な)反応なのです。とってもつらい反応です。こういう辛い事をされた時に、絶対になんで探し・理由探ししない事を私はお勧めします。これは私なりにちょっとした理由があります。
あんまり、自分がつらい思いをしている時に、「なんでなんだろう」って考えない方が良い
んですか?
んですか?
「なんでなんだろう」をなるべく考えないほうが良いと思っています。
例え話をします。電車に乗っていました。突然駅で、ひったくりに、持っていたハンドバッグを奪われてしまった。もう、「あ!」って気が付いた時には逃げちゃった。大事なお財布も入ったハンドバックがなくなってしまった。
例えばこういうのは窃盗になります。こういうひったくりの被害にあったとします。これ、どうですか?泥棒ですよね?泥棒に何かを持っていかれるのって理由ってありますかね?
例え話をします。電車に乗っていました。突然駅で、ひったくりに、持っていたハンドバッグを奪われてしまった。もう、「あ!」って気が付いた時には逃げちゃった。大事なお財布も入ったハンドバックがなくなってしまった。
例えばこういうのは窃盗になります。こういうひったくりの被害にあったとします。これ、どうですか?泥棒ですよね?泥棒に何かを持っていかれるのって理由ってありますかね?
たしかに、そういう時は考えないです。
考えない。だって、なぜかっていうと、「そういう悪い奴がいたんだよー」「ひったくりがいたんだよー」って言うと思うんですよね。つまり、(いじめは)ひったくりだとか、明らかな違法行為と同じレベルの行動なんですよね。
いくつかすでに無視されたりだとか、様々なつらい体験を語ってくださった、みなさま方が報告してくださった出来事というのは、法律にも反するような違法行為だって考えたほうが、なんだか私はすっきりするような気がします。
いくつかすでに無視されたりだとか、様々なつらい体験を語ってくださった、みなさま方が報告してくださった出来事というのは、法律にも反するような違法行為だって考えたほうが、なんだか私はすっきりするような気がします。
ひったくりの様に理不尽に始まるいじめ
いじめは、自分がどうとかじゃなくて、とにかくひったくりくらい相手が悪い事なんだと理解するべきですか?
はい、そういう事ですよね。ひったくりされるくらい理由なく始まってしまい、ひったくりをするような人は相手がいないか探しているわけですよね?
つまり、自分じゃなければまた別の人だったかもしれないし、攻撃する相手を手を替え品を替え、人を替え、選んでいるような場合もありますよね。
だから、何かつらい事を受けた時には、なんで探し・理由探しをしないほうが良いと思っています。理由探しをした時に出てくるのは、多かれ少なかれ自分の粗だったりします。
つまり、自分じゃなければまた別の人だったかもしれないし、攻撃する相手を手を替え品を替え、人を替え、選んでいるような場合もありますよね。
だから、何かつらい事を受けた時には、なんで探し・理由探しをしないほうが良いと思っています。理由探しをした時に出てくるのは、多かれ少なかれ自分の粗だったりします。
例えば「自分がこうだったからかな」、「自分がまずかったからかな」というこの仮説自体がすごく私たちの心を揺さぶったり、痛めつけてしまったりする。
いじめ等の被害を受けた時に、非常にダメージが強くなってしまう事を危惧しています。ですから、つらい体験をした時には、まず理由探しをしない、そして「こんな事があったんだ」っていうのを自分以外の誰かに聞いてもらう事が大事だと思います。
いじめ等の被害を受けた時に、非常にダメージが強くなってしまう事を危惧しています。ですから、つらい体験をした時には、まず理由探しをしない、そして「こんな事があったんだ」っていうのを自分以外の誰かに聞いてもらう事が大事だと思います。
振り返っても、「いやあ、僕がなんかみんなの前でしゃべりすぎちゃったからだろうな」とかやっぱり考えちゃったり、思い当たる節がある子もいると思うんですけど、それでも相手が悪いという事なんですか?
自分が悪かったから、いじめられたと思ってしまう
いじめを行うタイプの人っていうのは、非常に反論が難しい事を理由にしてくる場合があります。例えば、「あいつ寝ていたんだぜ」って言えば、「えー!」ってなりません?
これは、反論がすごく難しい事を理由に悪い事を始める。しかし、さっきの泥棒の話ですが、ひったくりをした人が、「お前が寝ていたから取ってもいいだろう」という事にはならないわけです。
やっぱり、理由なんて本当はおかしな話で、理由探しは、やっぱり意味がないんだろうと思います。
これは、反論がすごく難しい事を理由に悪い事を始める。しかし、さっきの泥棒の話ですが、ひったくりをした人が、「お前が寝ていたから取ってもいいだろう」という事にはならないわけです。
やっぱり、理由なんて本当はおかしな話で、理由探しは、やっぱり意味がないんだろうと思います。
僕だったら、寝ちゃったら、「自分が寝たからだ」と思っちゃいそうですけど、それはきっかけみたいな?きっかけにされた?
それとこれを別に考えるのは、すごく大事です。例えば、寝てしまうっていうのは、私みたいなお医者さんが聞くと、「ちゃんと前の晩寝ているかな?」とか、「ここのところテスト勉強ですごい大変じゃなかった?」とか、「熱ない?」とか、そういう心配をしてあげなきゃいけない兆候なわけです。
だから、寝たくないのに寝てしまったというのは、それはそれで別に対処が必要な事。無視をする、陰で悪口を言う、これは全部本当に違法行為です。
これ自体が、どんな理由があったって、悪い事です。どんな事があったって、独立して悪い事です。だから、寝る事といじめが怒る事を分けて考えていくほうが大事だと思います。
だから、寝たくないのに寝てしまったというのは、それはそれで別に対処が必要な事。無視をする、陰で悪口を言う、これは全部本当に違法行為です。
これ自体が、どんな理由があったって、悪い事です。どんな事があったって、独立して悪い事です。だから、寝る事といじめが怒る事を分けて考えていくほうが大事だと思います。
どこからがいじめ?いじめの定義とは
話を聞いていて、「どこからがいじめなの?」と感じながら聞いている子もいたと思うんですけれども、井上先生もおっしゃっていた通りですね、本人が、心身に、心と体の苦痛を感じたものは、すべていじめなんですね。
もちろん、LINEとかTwitterなどのネット上で起きているものも含まれています。これは、先生も何度かおっしゃっていましたけれども、いじめ防止対策推進法という法律が定めた事です。
また、いじめが、解消されている状態というのも、あいまいになったりする事あったりしますけれども、これも、いじめの防止等のための、基本的な方針で定義されている、定められているのです。
もちろん、LINEとかTwitterなどのネット上で起きているものも含まれています。これは、先生も何度かおっしゃっていましたけれども、いじめ防止対策推進法という法律が定めた事です。
また、いじめが、解消されている状態というのも、あいまいになったりする事あったりしますけれども、これも、いじめの防止等のための、基本的な方針で定義されている、定められているのです。
まず一つ目、①「いじめ行為がやんでいる状態が3か月継続」している事。そして、二つ目、②「被害者が心身の苦痛を受けていない」という事を感じている、という2つを満たしているという事なんです。これつまり、本人が苦痛を感じていたら、まだいじめは解決されていないと言えます。
いじめに関する法律
また、いじめに対して、先生や学校など大人が十分な対応をしない場合は、これも、「いじめ防止対策推進法第8条、第25条」に反する違反となるのです。これを聞いている大人の方がいたら、子どもたちが困っている事から目をそらさないでほしいですし、子どもたちも、目をそらす大人たちに対して相談するのはとても難しい事だと思います。目をそらす大人側が悪いという事が法律がきめてくれている事なので、自分を責めないでいてほしいという様に思います。
一人で抱えず、是非相談してみてください。 次回は、「一人になってしまうのが怖い」について伺います。
自分を追い込みやすい時は、動画でご覧になりたい方はこちらから。 人間関係がつらい。自分が分からない。学校ってどれくらい大事?YouTube Liveのプレイリスト
このシリーズの他のコラムはこちらから