親子関係カウンセリング#10:親が重い・逃げたい
悩んでいるのに、何もしてくれない
- 体験談・インタビュー
前回は「家で空気のように扱われる」についてでした。
今回は、「悩んでいるのに、何もしてくれない」というテーマで、10代のお悩みや質問にお答えします。
登場人物紹介
ゲスト:信田さよ子さん
公認心理師・臨床心理士の資格を持つカウンセラー。親子、夫婦関係など家族問題に関するカウンセリング経験が多くあります。
公認心理師・臨床心理士の資格を持つカウンセラー。親子、夫婦関係など家族問題に関するカウンセリング経験が多くあります。
MC:太田尚樹さん
前回のYouTube Live「LGBTQあるある」に引き続き、MCを務めます。
前回のYouTube Live「LGBTQあるある」に引き続き、MCを務めます。
親が悩みを聞いてくれない
もう1個ちょっとご相談来てるんでご紹介します。これも広い意味では自分が無視されているっていう気持ちになってるようなご相談です。
”私は汗っかきです。そのせいでいじめに発展しました。学校に行くだけで汗がダラダラして、6年からは笑われるし、クラスには避けられる。先生にも変な目で見られて、親は何もしてくれません。周りに汗っかきで汚い人(多汗症)がいたらどう思うか考えてほしいです。”
自分が悩んでいるのに、あんまり取り合ってくれないという悩みです。小学生くらいの年齢の方だと思います。
”私は汗っかきです。そのせいでいじめに発展しました。学校に行くだけで汗がダラダラして、6年からは笑われるし、クラスには避けられる。先生にも変な目で見られて、親は何もしてくれません。周りに汗っかきで汚い人(多汗症)がいたらどう思うか考えてほしいです。”
自分が悩んでいるのに、あんまり取り合ってくれないという悩みです。小学生くらいの年齢の方だと思います。
自分の汗のかき方について、他人からみたらどうかわからないけど、この子にとっては、みんながそれで笑ってるし、クラスの中でそれで浮いちゃうし、先生からもこういう様に見られているって思ってるわけですよね。
だけど、そういった困ってるっていることに親が一切関心を示さないわけでしょう?「大丈夫だよ」とか。もはや「大丈夫だよ」ってことを言っているのかどうかもわからないよね。
だけど、そういった困ってるっていることに親が一切関心を示さないわけでしょう?「大丈夫だよ」とか。もはや「大丈夫だよ」ってことを言っているのかどうかもわからないよね。
誰にもわかってもらえないし、「この汗が出なきゃいいのに、また汗が出るかも」って思うとね、周囲のみんなそういう様に自分を見ているような気もしてくるんですね。だから、実際に発汗を測ったりするとそこまでではないかもしれない。
だから親も多分そんなの全然考えすぎだわって思って、「大丈夫だよ」っていっているのだと思います。だけど、その子が困っている、もしくは追い詰められてるっていうその子の気持ちに一切この親が寄り添わないってことが問題ですよね。
だから親も多分そんなの全然考えすぎだわって思って、「大丈夫だよ」っていっているのだと思います。だけど、その子が困っている、もしくは追い詰められてるっていうその子の気持ちに一切この親が寄り添わないってことが問題ですよね。
いわゆる心理的な問題っていうのは、外に出るものと、(自分の)中ですごく膨らむものとありますよね。例えば、具体的に汗の量がどうかっていう様に考えれば、実際はそうでないかもしれない。
実際に汗がすごい出てる場合もあるし。私たちはだから「結構、汗っかきですね」と絶対言っちゃいけないんですよ。本人がすごく困ってることがあるから。
実際に汗がすごい出てる場合もあるし。私たちはだから「結構、汗っかきですね」と絶対言っちゃいけないんですよ。本人がすごく困ってることがあるから。
今自分で聞いていて、人によっては自分で「俺汗っかきなんだよねー」ってなんならこう楽しそうに言う人もいますよね?
自分のクセが気になってしまう。親以外に誰に相談したらよい?
それは予防線を張ってるんですよ。誰かから言われないように最初に言っちゃうの。「自分ってあがり症なんですよー」と言っちゃうと、他人からなんか言われるのをそれで防げますからね。
この彼は、いじめにも1回それであってる。1回というかそれでいじめに発展したっていうのがあったらすごく気にしちゃうと思うんですけど、どうしたら良いんですかね?
例えば、どこの学校にもスクールカウンセラーがいるんですね。この人は、先生が信じられてないでしょう?先生も変な目で見てると思うのに、先生には相談できないとしたら、週1くらいでいると思うんですが、スクールカウンセラーにちょっと相談してみるっていうのも1つかもしれない。
もしくはこういう機会も含めていろんなところで今はオンラインで相談できるのもあります。無料で小学生の相談を匿名でもできる。だから「自分はすごく汗っかきで、それでいじめられたり、先生にも変な風にみられているんですけど」って、まあそこで相談したら大抵はまず「お父さんお母さんには相談しましたか」ってまず聞きますよね。
そこで、全然わかってもらえないっていうことが出てきたら、「それは大変だったね」とか、「そっか1人で今まで抱えてきたんですね」とか。「あなたはよくやってきたね」ってことを言ってあげないといけないですよね。
そこで、全然わかってもらえないっていうことが出てきたら、「それは大変だったね」とか、「そっか1人で今まで抱えてきたんですね」とか。「あなたはよくやってきたね」ってことを言ってあげないといけないですよね。
なるほど、そういうことを言ってくれるんですね。僕だったらさっきのオンラインでもスクールカウンセリングでも、「でも全然この人状況わかってないしな」、「あのいじめっ子の田中のこととか知らないしな」とか思いそうです。
カウンセリングの意味って?
言ったところで、「大丈夫だよ」って言われないかなとか、「状況をわかってくれてない人に話しても何も変わらなそう」って思っちゃう気がするんですけど。何にも変わらない気がするんですけど、でも実は話すことで、気持ちは変わるんですかね?
この人の場合は、汗っかきっていう具体的な現象としてありますからね。気持ちを聞くだけじゃなくて、いろんな提案をしてくれると思いますよ。「こういうことやってみたらどう?」とか、「ハンカチをどういう様にしていつも拭いてるの?」とか結構具体的な提案を。
私の場合はこれだけじゃ何とも言えないですが、外に出る何かそういう汗が出るとか、クセで爪を根元までかんじゃって血が出ることがあるんですって言われたときにはどうやって行動で対処していくかを具体的に考えるのも、カウンセリングでやりますよね。
心の中の問題よりも、汗をかくっていうすごくわかりやすい1つの現象があるので、カウンセリングとしてはやりやすいんじゃないですか。
私の場合はこれだけじゃ何とも言えないですが、外に出る何かそういう汗が出るとか、クセで爪を根元までかんじゃって血が出ることがあるんですって言われたときにはどうやって行動で対処していくかを具体的に考えるのも、カウンセリングでやりますよね。
心の中の問題よりも、汗をかくっていうすごくわかりやすい1つの現象があるので、カウンセリングとしてはやりやすいんじゃないですか。
アイデアというか、「これ1週間やってみましょう」とか、それだけでも十分変わりうると思います。「自分を責めちゃって、苦しいんです」っていう問題と、「汗が出るんです」とか、「爪を噛んじゃうんです」っていう具体的な行動というか出来事があるほうが、カウンセリングとしてはやりやすいとは思います。
なんかカウンセリングってそういうことでも行っていいんだって思ってない子がいっぱいいそうですよね。小さく気にしていることとかでも、どんどんカウンセリングしに行っていいんだっていうことなんですね。
どっかで私たちはね、「こんなことを人に頼っていけないんじゃないか」とか、「絶対こんなことを他人はわかってくれない」とか、そういう思い込みと戦って、カウンセリングを利用するまでにいろいろなハードルがありますね。私はやっぱりね、助けを求めたほうが、SOSを早く出したほうが、早く乗り越えられると思うね。
では、思ってるより話を聞いてくれる人はいて、思ったより早く解決することがあるのですね?ありがとうございます。ぜひ相談くれた方もよかったらスクールカウンセラーとかオンラインで色々相談先を探してみるのも良いかもしれません。
動画でご覧になりたい方はこちらから。 親が重い。逃げたい。親との関係どうしたらラクになる?YouTube Liveのプレイリスト(#1~#9)
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