親子関係カウンセリング#9:親が重い・逃げたい
家で空気のように扱われる
- 暴言・無視・ひいき
- 体験談・インタビュー
前回は「親のケンカは自分のせい?面前DVとは」についてでした。
今回は、「家で空気のように扱われる」というテーマで、10代のお悩みや質問にお答えします。
登場人物紹介
ゲスト:信田さよ子さん
公認心理師・臨床心理士の資格を持つカウンセラー。親子、夫婦関係など家族問題に関するカウンセリング経験が多くあります。
公認心理師・臨床心理士の資格を持つカウンセラー。親子、夫婦関係など家族問題に関するカウンセリング経験が多くあります。
MC:太田尚樹さん
前回のYouTube Live「LGBTQあるある」に引き続き、MCを務めます。
前回のYouTube Live「LGBTQあるある」に引き続き、MCを務めます。
家で空気のように扱われる
次のいただいている相談をご紹介したいと思います。今度は先ほどのお父さんお母さんの仲が悪いというのとは少し違う相談になります。
”祖母と母親には酷い態度を取られてる。まるで空気みたいに扱われる。ご飯も用意してくれないし、服も買ってもらえないから校則破ってバイトもしてお金を貯めなきゃならない。友達にそれを言ったら私が悪いと否定された。つらい。死にたい。自殺したい。”
という風なメッセージをいただきました。これは、高校生ぐらいの年齢の方からのご相談でした。なんでこんな放っておくんですかね?
”祖母と母親には酷い態度を取られてる。まるで空気みたいに扱われる。ご飯も用意してくれないし、服も買ってもらえないから校則破ってバイトもしてお金を貯めなきゃならない。友達にそれを言ったら私が悪いと否定された。つらい。死にたい。自殺したい。”
という風なメッセージをいただきました。これは、高校生ぐらいの年齢の方からのご相談でした。なんでこんな放っておくんですかね?
なんとか死ななきゃ良いって思ってるんじゃないですかね。ここで空気みたいに扱われるって書いてあるでしょう?まさにね、そのおばあちゃんとお母さんは、自分たちのことで精いっぱいだから、そこに子どもがいても、空気みたいなんですよ。
人間扱いしてないの。仲の良い夫婦はお互いが空気みたいっていうじゃないですか。あれは、もう気を遣わなくても良いし、いてもいなくても良いけど、なんかいるよね、それがいい夫婦。私はあれをとんでもないと思ってるんです。空気みたいっていうのはね。
人間扱いしてないの。仲の良い夫婦はお互いが空気みたいっていうじゃないですか。あれは、もう気を遣わなくても良いし、いてもいなくても良いけど、なんかいるよね、それがいい夫婦。私はあれをとんでもないと思ってるんです。空気みたいっていうのはね。
空気のように扱う理由
空気みたいっていうのは、あんまり良くないってこと?
良くないと思う。ちゃんと自分と違う人間がそこにいるって思わないとこういったことが起こりますよね。全然珍しいことではないでしょう。何か別の生活が大変なのか、自分の楽しみや趣味が重要なのか。
この方はたまたま体も丈夫で病気もしないで特に不登校にもならず、手のかからないことをして育ってきたから、空気みたいに扱ってるんじゃないですか。
この方はたまたま体も丈夫で病気もしないで特に不登校にもならず、手のかからないことをして育ってきたから、空気みたいに扱ってるんじゃないですか。
そっか。この方が立派にそんな中で生きてきてくれたから余計に(扱いが空気の様に)なってるっていうことですか?
そういうことです。本当に感謝しなきゃいけないよね。このお母さんもおばあちゃんもこの子に対して。お金がないからバイトでもして内緒でお金稼がなきゃって、こんな立派な子いないじゃないですか。
本当ですよね。すごい立派ですよね。自分だったらこんな状況だったら「じゃあなんで産んだの?」て強く自分に対して、環境に対して思う気がするんですけどね。
なんで私を産んだの?と思ったら
家庭内暴力の中には、子どもから親への暴力もありますよね?去年の2019年に息子から暴力をふるわれているお父さんが、息子を殺しちゃうっていう事件がありました。
あの様に子どもが親に暴力をふるう時、大体決め台詞は3つか4つあるんですよ。その1番トップが「なんで産んだの。そんなことをするんなら、なんで俺を産んだんだ」なのです。
あの様に子どもが親に暴力をふるう時、大体決め台詞は3つか4つあるんですよ。その1番トップが「なんで産んだの。そんなことをするんなら、なんで俺を産んだんだ」なのです。
親を問い詰めるのは、日本全国、たぶん世界中共通かもしれない。みなさん言わないだけで珍しいことではないと思いますよ。
でも、大抵親を問い詰めると「あんたが悪いんでしょう」とか、「あんたがそうやって親から面倒を見られないような子どもだったからでしょう」と言われちゃうんですよね。
でも、大抵親を問い詰めると「あんたが悪いんでしょう」とか、「あんたがそうやって親から面倒を見られないような子どもだったからでしょう」と言われちゃうんですよね。
じゃあやっぱり「なんで産んだの」とかも言っちゃダメってことなんですかね?
そんなことお友達や親戚に言ったら残念ながら袋叩きですよ。「何言ってんの、産んでもらってありがたいって思いなさい」って言われますから。
だからきっと何もわかってくれないって思って、最後は親に向かうしかない。その時に、「なんで産んだんだよ」とか、もうひとつは、「生まれてこの方自分は生まれてきて良かったって思ったことは1回もない」とか、そういうことを言って親をワーッと責めますよね。
だからきっと何もわかってくれないって思って、最後は親に向かうしかない。その時に、「なんで産んだんだよ」とか、もうひとつは、「生まれてこの方自分は生まれてきて良かったって思ったことは1回もない」とか、そういうことを言って親をワーッと責めますよね。
でもこんなつらい思いをしてたら、いつかそれくらい言ってやりたいって思っちゃいそうですよね。
そうですよね、私もそう思う。言ってやったらいいんですよ。「そうだよね、なんで私があんたを産んだんだろうね」とは絶対この親は言わないけど、一言言ってやりたいってことはちゃんと言ったほうがいいです。
言うんであれば、相手の反応は別として、ちゃんと冷静に伝えた方が良いと思う。
言うんであれば、相手の反応は別として、ちゃんと冷静に伝えた方が良いと思う。
それって言いたいっている気持ちがあるなら言ったほうが良いけど、良い返事が来ないかもしれないなという心の準備もあったほうが良いということですか?
そうですね。そして、できるだけ冷静に話すことです。
すると向こうは怖がるね。嫌に冷静に何言ってんのみたいな。
すると向こうは怖がるね。嫌に冷静に何言ってんのみたいな。
子どもに関心がない親
精神科、もしくは心療内科で治療しなきゃいけないと言われているかなりの子の背景に、親が一切子供に関心を示さないことがあると思います。
お金はふんだんに出すけど、一切空気みたいに扱う親もいます。
例えば「今日この子が楽しんできたかな」とか、そういう視線が1度もないわけですよ。「身長伸びたかな」っていうのはあるけど。あと偏差値といった数字は見てるけど、生きてるその子は見ないっていう親もいますからね。
お金はふんだんに出すけど、一切空気みたいに扱う親もいます。
例えば「今日この子が楽しんできたかな」とか、そういう視線が1度もないわけですよ。「身長伸びたかな」っていうのはあるけど。あと偏差値といった数字は見てるけど、生きてるその子は見ないっていう親もいますからね。
動画でご覧になりたい方はこちらから。 親が重い。逃げたい。親との関係どうしたらラクになる?YouTube Liveのプレイリスト(#1~#9)
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