アルバイト代から罰金が引かれている…これって違法?
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アルバイト先に「ペナルティ」や「罰金」のルールがある…という人はいませんか。
実は、そのルールで会社側がアルバイト代を減らすことは、法律に違反しています。
今回はみなさんがそんな違法なルールで困らないように、アルバイトでの罰金について紹介します。
罰金でアルバイト代が減ってしまう…罰金でアルバイト代が減ってしまう…
高校3年生のAさんは、放課後や休みの日に飲食店でアルバイトをしています。しかし、先月、床に水をこぼすミスをしてしまいました。
すると、店長から「罰金3000円をアルバイト代から引く」と言われました。
「罰金」について知らなかったAさんは店長に確認しましたが、「ルールだから」と怒られ、怖くてそれ以上聞くことができませんでした。
他のアルバイトの人に相談しても「仕方がない」と言われ、実際に先月のアルバイト代から3000円が引かれていました。
Aさんは、このままどんどん罰金が引かれて、アルバイト代が少なくなってしまうのではないかと心配しています。
アルバイトでの「罰金」は違法!
Aさんのようなケースは、実際にニュースなどでも取り上げられていて、よく起きていることではあります。しかし、会社側が、働く人に対して罰金を課したり、損害賠償のルールを設定したりすることは、法律で禁止されています。
また、「会社は給料を全額支払わなければならない」と定められていて、決まった給料から罰金などを差し引くことは禁止されています。
そのため、たとえ仕事上でミスをしてしまったとしても、「罰金」や「損害賠償」と言って給料から引かれることは違法となります。
もし、会社側から「ルールだから」「契約だから」と言われても、無効な決まりのため、従う必要はないのです。
他にも以下のようなケースは法律に違反しています。
・仕事に遅刻すると「遅刻代」が引かれる
・仕事場のものを壊したら弁償代が給料から天引きされた
・風邪でアルバイトを休んだら罰金をとられた
・アルバイトを辞める時に、次の人を探さなかったとして給料を減らされた
一方で、「無断欠勤が多いので時給を20円減らします」と伝えられ、その後、以前よりも時給が下がった場合は必ずしも違法ではありません。ただし、「こうなったら降給します」というルールを店側が就業規則等にあらかじめ決めておかなければなりません。
また、給料で勝手に引かれるのではなく、損害賠償を別で請求される場合もあるかと思います。
「店の商品を盗んだ」とか、「商品の並ぶ冷蔵庫にふざけて入った写真をインスタにあげた」など、悪質や故意(わざと)など、アルバイト先に重大な影響がある場合を除いては、支払う必要がないものがほとんどです。 アルバイト中のミスややむを得ない場合については必要以上に心配する必要はありません。
給料明細で確認しよう
「罰金」が給料から引かれている場合、まずは給料明細を見てみましょう。全体のアルバイト代からは、法律で決められた控除が引かれていることがあります。
(参考:アルバイトの「給与明細書」ってどう見るの?)
控除という項目ではなく、「罰金」「ペナルティ」などと書かれた金額が引かれている場合は、違法な給料からの天引きです。
アルバイト代から罰金を引かれた時はどうしたら良い?
もし引かれているのを見つけた場合は、店長や責任者に「罰金・ペナルティを給料から引くのは違法だと書いてありました」とこちらの記事を見せて伝えてみてください。もし取り合ってもらえなかったり、ひとりでは話しづらい場合には、同じアルバイトの人たちに相談して、何人かで一緒に話をするのも良いかもしれません。しかし、それでも店側から「ルールだから」と言われ支払ってもらえなかったり、そもそも怖くて伝えることができなかったり、ということもあるかもしれません。 そんな時は、労働条件相談ほっとラインに相談する方法もあります。その場合、「罰金」と伝えられた内容や、日付、金額などをメモして、給与明細書があればそれも手元に用意しておくと良いでしょう。 だれでも無料で相談でき、名前を言わなくても大丈夫です。法律を知ると、不当な支払いをせずに済むこともあります。この記事が働いた分の給料を正しくもらうためのひとつの参考になったらうれしいです。
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