親子関係カウンセリング#1:親が重い・逃げたい
親が褒めてくれない
- 暴言・無視・ひいき
- 体験談・インタビュー
このコラムは2020年に行われたオンライン相談会「YouTube Live親が重たい。逃げたい。親との関係どうしたらラクになる?」の書き起こしです。
「YouTube Live親が重い。逃げたい。親との関係どうしたらラクになる?(#1~#9)」のプレイリスト
今回は「親が褒めてくれない」についてです。

ゲスト:信田さよ子さん
公認心理師・臨床心理士の資格を持つカウンセラー。親子、夫婦関係など家族問題に関するカウンセリング経験が多くあります。
公認心理師・臨床心理士の資格を持つカウンセラー。親子、夫婦関係など家族問題に関するカウンセリング経験が多くあります。

MC:太田尚樹さん
Mex(このサイト)がやっているYouTube LiveでMCを担当しています。
Mex(このサイト)がやっているYouTube LiveでMCを担当しています。
投稿紹介~親に褒めてもらうために頑張る~

それでは、すでにたくさんお悩みをいただいているので、そちらをご紹介しながら進めていきたいなと思います。2つご紹介します。



2つともだいたい中学1、2年生くらいの方からいただいたものです。
「褒めてもらうためにもっと頑張らなきゃ」って思っている10代の子ってたくさんいると思うんですけど、愛してもらうために、褒めてもらうためには、頑張らないとダメなんでしょうか?
「褒めてもらうためにもっと頑張らなきゃ」って思っている10代の子ってたくさんいると思うんですけど、愛してもらうために、褒めてもらうためには、頑張らないとダメなんでしょうか?


いや、そんなことはないに決まってますよ。冗談じゃないですよ。ちょっとはっきり言わせていただきますと、本当にダメです、そういう親は。
発達という視点から見ると、人生で危ない時期っていくつかあるんですよ。まずは小学校3年生。2つ目がだいたい中学2年生くらいです。
お寄せいただいた2人の年齢を考えると、14歳というのは、人生のいくつかの山場の、かなり大きな山の時期なんですね。
発達という視点から見ると、人生で危ない時期っていくつかあるんですよ。まずは小学校3年生。2つ目がだいたい中学2年生くらいです。
お寄せいただいた2人の年齢を考えると、14歳というのは、人生のいくつかの山場の、かなり大きな山の時期なんですね。


人生のいくつかの山場の、かなり大きな山の時期と受験勉強というのがまさに重なってしまっているということを認識することが大事です。特に中学入試で入った方も、学校でも競争がどんどん激しくなる時期ですよね。
「人生で最も厳しい、降りなきゃいけない山が高い時期に受験勉強がどうしても重なっちゃうというのは、実はとても危ないことというのを、親御さんに分かってもらいたいです。
「人生で最も厳しい、降りなきゃいけない山が高い時期に受験勉強がどうしても重なっちゃうというのは、実はとても危ないことというのを、親御さんに分かってもらいたいです。

「降りなきゃいけない山」っていう表現があったと思うんですけど、どういうことに悩んでいたりすることなんですか?
親と自分が別の人間になる10代

1番は、性的な成長ですね。女の子は生理が始まって、からだが女性のからだになっていく。男の子も第2次性徴がほぼ完成して、性的行動とか欲望が顕在化してくる。
それは言うなれば、「親と分離する」ということなんです。分離だけは親が介入できないんです。ですから、「性的な成長」と「親からの分離独立」ってほぼイコールなんですね。
ところが、その時期に、受験勉強などで「この時期に頑張らないとあなたの人生決まっちゃうよ」みたいな時期が重なっちゃうことが、私たちから見ると、「非常に危ないな」と思うんです。
それは言うなれば、「親と分離する」ということなんです。分離だけは親が介入できないんです。ですから、「性的な成長」と「親からの分離独立」ってほぼイコールなんですね。
ところが、その時期に、受験勉強などで「この時期に頑張らないとあなたの人生決まっちゃうよ」みたいな時期が重なっちゃうことが、私たちから見ると、「非常に危ないな」と思うんです。


ですから、ご相談をお寄せいただいた2人の方は叫ぶような内容なんですよ。
私からしたら、あまりに叫んで当然な悩みすぎて、胸が痛くなるようなことなんですけど、ここで親の批判をすると、質問を書いた方から、「そんなに親を責めないで」って言われちゃうかもしれない。
けど、「そういう思いで子どもが受験勉強を頑張っている」ってことを親には分かってもらいたいなと思うんですね。
私からしたら、あまりに叫んで当然な悩みすぎて、胸が痛くなるようなことなんですけど、ここで親の批判をすると、質問を書いた方から、「そんなに親を責めないで」って言われちゃうかもしれない。
けど、「そういう思いで子どもが受験勉強を頑張っている」ってことを親には分かってもらいたいなと思うんですね。

だから、みなさんの「褒められたい」とか「愛されたい」という気持ちは全然変じゃなくて、むしろ「この時期、当然なことなんだ」っていう風に考えてもらいたいです。
つまり、ちょっと難しい話になるかもしれませんが、自分が性的に成長する。そして、「親と自分が別の人間である」ってことが分かる。そうすると、親からの承認って言うんでしょうか、これまでよりも余計に「あなた良くやってるね」とか「私たちはあなたのことを大事に思ってるよ」ってことが、態度や言葉で必要になってくるんです。
本当に小さいうちはそんなこと必要なく、信じ切っているから大丈夫なんだけど、12歳から14歳っていうのは、ことさら「親に承認を言葉で表現してもらわないと満たされない」っていう時期なんです。けれど、親は、「そんなこと当たり前だから言わないわ」って思ってると思うんです。
つまり、ちょっと難しい話になるかもしれませんが、自分が性的に成長する。そして、「親と自分が別の人間である」ってことが分かる。そうすると、親からの承認って言うんでしょうか、これまでよりも余計に「あなた良くやってるね」とか「私たちはあなたのことを大事に思ってるよ」ってことが、態度や言葉で必要になってくるんです。
本当に小さいうちはそんなこと必要なく、信じ切っているから大丈夫なんだけど、12歳から14歳っていうのは、ことさら「親に承認を言葉で表現してもらわないと満たされない」っていう時期なんです。けれど、親は、「そんなこと当たり前だから言わないわ」って思ってると思うんです。


当たり前。つまり、「頑張ってる」と親は思ってくれているんですか?

はい。だけど、「ここで褒めちゃうなんておかしいでしょ」と。だから親は、「そんな分かりきっていることを、なんでわざわざあんたに言わなきゃいけないの?」って思っているかもしれないです。
この記事を読んでくれている方は10代の方だと思うんですけれど、ぜひ親御さんにはあえてそこを言葉に出して、「よく頑張ってるね」とか、「すごくあなたは大事なんだよ」ってことを言葉に出してもらいたいと思います。
この記事を読んでくれている方は10代の方だと思うんですけれど、ぜひ親御さんにはあえてそこを言葉に出して、「よく頑張ってるね」とか、「すごくあなたは大事なんだよ」ってことを言葉に出してもらいたいと思います。
親から褒められたい時には?

「お母さんとかお父さんに言葉に出して欲しい」って思うんですけど、10代の今日この記事を読んでくださっている子たちは、どういったことをお父さんお母さんとかに伝えることができるんですか?


子どもの方から言うのもなんですけど、例えばここに書いてあるようなことを。「ちょっと言葉に出して褒めて欲しいんだけど」とか、「私こんなに頑張ってるんだけど、ママどう思ってるの?」とかを、親に問いかけてもいいかもしれませんよね。
心ある親は「そうだったのね、じゃあ言葉に出すわよ。良くやってると思うよ」っていうと思う。
おざなりで、形だけかもしれないけど、そう言ってもらうってことは、子どもにとっては形だけだとしても、言われないよりすごく良いんじゃないんですかね。
心ある親は「そうだったのね、じゃあ言葉に出すわよ。良くやってると思うよ」っていうと思う。
おざなりで、形だけかもしれないけど、そう言ってもらうってことは、子どもにとっては形だけだとしても、言われないよりすごく良いんじゃないんですかね。

そっか。まず、親にどう思っているのか聞いてみるっていうことが、はじめ方としては、いいかもしれないんですね。