高校生で妊娠。産みたいと思った時の費用や相談先
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妊娠したかも…そして「産みたい」と思った時。妊娠・出産はうれしいことでもありますが、子どもを育てる義務や責任もともないます。前回は「妊娠したかも。中絶を選んだら…」の記事で、妊娠したけど産まない選択をした場合についての記事でした。今回は「産みたい」と選択をした時にぜひ知っておいてほしいことをお伝えしていきます。
子ども1人育てるのに2000万円以上?!意外とかかる子育て費用
赤ちゃんを産み、育てる時に必要なお金をまずは見ていきます。出産する費用だけではなく、おむつ代、ミルク代、子どもが成長すると食費や教育費もかかり、子どもが0歳~6歳のときには毎年100万円程度が養育費としてかかると言われています。※1
幼稚園から高校まで公立の学校に通った場合、約500万円かかると言われています。もし大学に通う場合は更に学費が必要です。幼稚園から大学まで国公立に通った場合、子どもにかかるお金は約2650万円、私立に通う場合は3000万円以上かかる場合もあるのです。※2
奨学金等の方法もありますが、子どもを育てるにはお金が必要なのです。 お金以外では、妊娠中はもちろん、産んだ後は赤ちゃんのお世話をしなければならないので、赤ちゃんを産んでからの生活はそれまでと大きく変わります。
赤ちゃんは食事やトイレがひとりではできないので、身の回りのお世話をすべてする必要があります。夜中に泣いて、親がなかなか眠れないこともあります。
育てるために必要なお金を稼ぐため働く必要がありますが、赤ちゃんが病気やけがをしたときに保育園に預けられないと、仕事を休まなければならなくなります。
子どもは小さい程よく熱を出します。0~2歳のころは朝は元気だったのに急に熱を出すことが多く、保育園から迎えに来るよう呼び出される事がよくあります。また、大きくなってからも保育園等の集団生活では感染症ももらいやすく、感染症にかかると休まなくてはいけません。子どもが悪いのではなく、子どもは身体も小さく病気になりやすいのは仕方ないことなのです。
このように、お金を準備することや赤ちゃんの身の回りの世話などを考えると、ひとりですべてをやるのはとても難しいです。そのため、周りの人からのサポートは欠かせないのです。
妊娠した時、相手に伝えなければならないこと
まずは相手に妊娠について伝えることです。ただ「産みたい」ではなく、まずお互いの気持ちを確認しあって、産んだらどうやって子どもを育てていくのか、お金の準備や生活はどうしていくのかなど、一つ一つ話し合ってみてください。
そしてお互いの親にも伝えることが、法律上でも必要になっています。
まず、未婚の未成年が出産した場合、生まれてくる子は母親の子として 戸籍に入ります。そして、父親は「認知届」を出すことで、子の父親として認められます。 「親権」(子どもの面倒を見て育てる権利のこと)は母親にありますが、その子を育てる義務や責任は、母親の親(親権者)にあります。(育てる責任を両親が代わりに持つので、これを「親権代行」と言います)
そのため、親にも理解してもらう必要があるのです。(ただし、10代でも入籍すれば、生まれてくる子の親権を得ることができます)
妊娠について親に相談しにくい場合は
親に伝えるのは勇気がいると思います。でも、子育てにはたくさんの人の協力やサポートが必要なので、あきらめずに時間をかけて何度も話し合って、協力してもらえないか相談をしてみてほしいと思います。
親や相手に相談する…それが難しい人もいるかもしれません。そんな時には、相談機関や病院、 スクールカウンセラーなど伝えてみましょう。
相談先と一緒に、親にどう伝えていくかを考えることもできると思います。 わたしたちにも相談してほしいと思っています。
にんしん SOS東京(全国から相談できます)
今まで相談を受けた中には、最初は親から協力することを拒否されていましたが、「産みたい」と いう強い気持ちをもち、相手と今後の計画(主にお金のこと)を話し合い、それを親に伝えることで時間をかけて協力を得られたケースがありました。
妊娠が分かった後の健診・診察について
妊娠・出産をするには病院で診察や定期的に健診を受けたりする必要があります。定期健診や出産については、「妊娠とは?妊娠・出産の流れと心身への影響や相談先」でまとめているので、見てみてください。
また、出産をするにあたって、学校を辞める必要はありません。あなたの夢の実現や、就職先の選択肢を増やすためにも、勉強を続けることは大切なことです。
詳しくは、「高校生で妊娠。学校に通い続けられる?」でまとめています。
産みたいけれど、自分では育てられない時は
産みたいけど自分では育てられない…そんな場合は施設で生活したり、里親のもので生活したり、さまざまな方法があります。地域の子ども家庭支援センターや保健所、児童相談所などで相談することができます。施設や里親にお願いするだけではなく、あなたが安心して子育てできるように支援方法を一緒に考えてくれるかもしれません。特別養子縁組、という制度もあります。法律的に親子関係を終了させ、子は新しい親の実子となります。成立すると産みの親の親としての権利はなくなり、その後取り戻すことはできません。おろすのは抵抗があるけれど、育てることは難しいという場合の選択肢になります。
まずは相談して、1番良い方法を見つけていきましょう。子どもの生活を第一に、最適な方法を一緒に考えることができます。上にあげた行政機関に相談することが難しければ、私たちにんしんSOS東京(全国から相談できます)にまず相談し、どんな方法が1番良いか考える方法もあります。子どもの命の危機がない限り、強引に引き離されることはありませんので、安心して相談してください。
子どもを産んだ時に利用できる制度
もし子育てに疲れたり、自分がケガをしてしまったりした時に、短期間預けることができる「ショートステイ」という制度もあります。他にも、地域の子ども家庭支援センターや保健所には子育ての相談もでき、子どもを預けるサービスを紹介してもらうこともできたりします。
地域や社会みんなで子どもを育てられるように、使うことができる色々なサービスがあるのです。
家族や相手に相談できない時・・相談先について
妊娠出産はひとりでは成し遂げるのは困難な事です。産まれてくるかけがえのない命とあなたの笑顔を守るためにも、周囲の協力を得ることは必須です。
家族や周囲の人からの協力を得ることがどうしても難しければ、福祉などの様々なサポートを受けることもできます。ひとりで抱えこまずに、様々な相談機関を利用してください。
※このページの下の「関連する相談先」から、類似の相談先を見つけることができます。
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