死にたい・気分が憂うつ…思春期のうつ病とは?病院に行く目安は?
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「死にたい」や「気分が憂うつ」という気持ちによくなるようだったら注意が必要かもしれません。ここでは、そんな気持ちになったときに病院に行った方が良いかをご紹介します。
10代は心身の変化が多く、不安や悩みが多い時期
「10代」「思春期」それは「疾風怒濤(しっぷうどとう)」と形容される時期です。すなわち、心身ともに子どもから大人へと成長する最中「激しい風が吹き荒れ、大きな波が荒れ狂うような」体験を誰しも少なからず送ります。身体的に、女性は10歳前後から月経がはじまり、男性は12歳前後から精通がはじまり、お互いに異性に関心を持ちはじめることが多いです。心理的に「自己」や「自我」が確立し、今後の進路や職業などをなんとなく考えはじめるようになります。
「疾風怒濤」は自然に収まるものですが、そうでない場合もあります。嵐や波が続いたり、雨や雪が降り続いたりすることがあるのです。嵐や波が続くことは「幻覚(げんかく)・妄想(もうそう)」、「躁(そう)」、雨や雪が降り続くことは「鬱(うつ)」という精神症状に相当します。ここでは、全く元気がない状態「うつ」について詳しく説明していきます。
思春期のうつ病の主なサイン
うつ状態になってしまっているときは、何らかのサインを出しています。「もしかしたら、これはうつ病なの?」と感じたら、次の項目にあてはまるかどうかを照らし合わせてみてください。頭やこころの症状
・気分が沈む、悲しくなる、将来の希望を抱けない(抑うつ気分)
・これまで楽しかったことを楽しいと思えない(興味の減退)
・何をするのもおっくうになった(意欲の低下)
・顔を洗ったり、歯を磨いたりすることも面倒になった(意欲の低下)
・なんとなく心配になってしまう(不安)、いてもたってもいられない(焦燥)
・注意力、集中力、記憶力などが落ちたような気がする(認知機能の低下)
からだの症状
・勉強が手につかない、成績が落ちた(認知機能の低下)
・眠れない、特に途中や朝早く目覚める(不眠、特に中途覚醒・早朝覚醒)
・眠っても、眠った気がしない(熟眠困難)
・食欲が落ちた、おいしいと思えない、体重が落ちた(食欲不振)
・反対に食べ過ぎ、体重が増えた(過食)
・疲れやすい、からだがだるい(疲労感・倦怠感)
・頭が痛い、肩がこる(頭痛・肩こり)
頭やこころの症状は自分では気づきにくく、からだの症状、不調から気づくことが多いです。
そのため、本人はからだの不調が原因だと思って内科や外科など受診することがしばしばありますが、明らかな異常はないため、内科や外科の医師からは「ストレス」や「自律神経失調症(体を整える神経が不調になると起きる症状、以前によく用いられた用語)」と説明されることが多くあります。
病院に行く基準・目安とは?
先ほどのサインで自分、もしくは周りの人が「うつ」の可能性があると感じたら、次の項目を確認してください。先ほどのサインに加えて、これらの項目に1つでもあてはまるようだったら精神科(心療内科)を受診するようにしましょう。・その症状が2週間以上、継続している時
・具合が悪く、勉強や生活がこれまで通りできなくなっている時
・眠れない(不眠)、食べられない(食欲不振)などの症状が生じている時・死にたい気
持ちに襲われたり、自分のからだを傷つけたりしている時
うつは軽い症状であれば、1~3ヶ月で自然に治ることもありますが、症状が重い場合、治るのに数ヶ月以上かかることも少なくありません。しかもその間、勉強に手がつかなくなったり、学校へ通えなくなったりして、進級や進学にも関わってしまいます。
もし「死にたい」という気持ちや「自傷行為」をそのままにしておいてしまうと、本当に「死んでしまおうと計画して実行する(自殺企図)」ことさえありますので、早めの受診をおすすめします。
友達やきょうだいがうつになったらどうしたら良い?
友達から相談を受けたり、見かけたりした側が心がけるべきことは、「甘えているのではないか」「気持ちが弱いのではないか」などのように責めたり叱ったり、無理にやめさせたりしないことです。大事なのは、本人に寄り添って気持ちを汲み取ってあげること。
心理学の専門用語では「傾聴(耳を傾け熱心に聴くこと)」「共感(相手の感情や体験を自分のことのように感じること)」「受容(相手を否定も肯定もせずそのまま受け入れること)」と呼びます。なぜ「死にたい」「気分が憂うつ」だと思うのか、そう思うようになった経緯を聞いてあげ、気持ちに寄り添うことだけでもその人の支えになります。ひとりでその人を変えようとせずに、精神科(心療内科)を紹介すると良いでしょう。
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