LGBTQあるあるLive前編#1
「さん付け」側に入れられた違和感
- セクシュアリティ
- 体験談・インタビュー
LGBTQについて知る機会って増えたけど、まだまだ当事者の声からじゃないと分からないこと・伝わらないことがたくさんあるんじゃないかということで、2020/4/10・17にMex(ミークス)で当事者3人の対談企画を行いました。
今回はその対談を編集してまとめたものです。4/10の前編は、20代・30代になった当事者3人の10代の頃の色々な思い出を振り返っていきます。
ヒアリの鑑定とインターネット関係の仕事の遠藤まめたさん
本日の参加者をご紹介します。遠藤まめたさんです。
よろしくお願いします。
プロフィールは僕が紹介しますね。
遠藤まめたさん:1987年埼玉県生まれのトランスジェンダー。LGBTユースのための居場所にじーず代表。著書『先生と親のためのLGBTガイド 』『オレは絶対にワタシじゃない』など。廃墟や古い建物が好き。現職はインターネット関係の仕事だが、その前にはヒアリの鑑定をしていた。
遠藤まめたさん:1987年埼玉県生まれのトランスジェンダー。LGBTユースのための居場所にじーず代表。著書『先生と親のためのLGBTガイド 』『オレは絶対にワタシじゃない』など。廃墟や古い建物が好き。現職はインターネット関係の仕事だが、その前にはヒアリの鑑定をしていた。
ヒアリの鑑定って・・・?
触覚の数を数えてヒアリかどうか見抜く仕事をしていました。
「アリですか?」って思って持ってこられて、実はクモだったってことが多かったです。
「アリですか?」って思って持ってこられて、実はクモだったってことが多かったです。
誰が持ってくるの?
保健所で働いていて、「ヒアリかな?」って思った市民の人がたくさん持ってきてました。
まめたさんがヒアリ課とかにいたってこと?
いや、保健所のね、虫の相談の所にいました。
それだけでもいろいろ話が聞けそうですね(笑)
今日はよろしくお願いします!
今日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
テーマパークやアイドル、女の子×コンセプトが好きなレロさん
2人目、中村香住さん、本日はニックネームで「レロさん」とお呼びします。
レロさんよろしくお願いします。
レロさんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
プロフィールをご紹介します。
中村香住さん:1991年神奈川県生まれのレズビアン。「キラキラしてないレズビアンヲタク社会学研究者」として大学院でメイドカフェで働く女性を研究。NPOリコリタスタッフ。2次元・3次元問わず女の子が好きで、女性声優、女性アイドル、ラブライブ!シリーズなどのヲタク。ディズニーとピューロランドも好き。
中村香住さん:1991年神奈川県生まれのレズビアン。「キラキラしてないレズビアンヲタク社会学研究者」として大学院でメイドカフェで働く女性を研究。NPOリコリタスタッフ。2次元・3次元問わず女の子が好きで、女性声優、女性アイドル、ラブライブ!シリーズなどのヲタク。ディズニーとピューロランドも好き。
好きなもの多いですね!
いや、これ、超一部です!!!
私は女の子と概念(コンセプト)が好き。特に、女の子とコンセプトがかき合せられているものが好きです。そうなると、アイドルとかアイドルアニメとかメイドカフェとかそういうものになります。
私は女の子と概念(コンセプト)が好き。特に、女の子とコンセプトがかき合せられているものが好きです。そうなると、アイドルとかアイドルアニメとかメイドカフェとかそういうものになります。
今、レロさん的にきているものはなんですか?
あまりみなさん知らないかもしれないんですけど、TrySailっていう3人組の女性声優ユニットです。
レロさんは学生時代から女の子xコンセプトというものがお好きだったんですか?
そうですね、テーマパークもコンセプトを体現しているから好きなんですけど、テーマパークが一番長いかな。東京ディズニーランド・ディズニーシーに通い始めたのが小学6年生くらいの頃かな。
アイドル(を好きになったのは)は結構遅くて、大学1年生くらいの頃からハマり始めましたね。やっぱり、AKBがぐっと流行ってきた時期だったんで。結構、王道から入ったんですけど。そのあとはSKE48をずっと応援していました。
アイドル(を好きになったのは)は結構遅くて、大学1年生くらいの頃からハマり始めましたね。やっぱり、AKBがぐっと流行ってきた時期だったんで。結構、王道から入ったんですけど。そのあとはSKE48をずっと応援していました。
エンターテインメントの仕事をするMCの太田さん
では、私の自己紹介もしておきます。私は今回MCを務める太田尚樹と申します。よろしくお願いします。
「世の中とLGBTのグッとくる接点」というコンセプトをもって『やる気あり美』というチームで活動。アニメや記事・脚本作りやNHKでコントを制作。(美少女戦士レイワヤンというコントなんですけど、良かったら見てみてください。)
主にLGBTQやいわゆるシス(セクシュアルマジョリティーに属する子)もみんなでLGBTに関するアートエンタメコンテンツも制作している。
主にLGBTQやいわゆるシス(セクシュアルマジョリティーに属する子)もみんなでLGBTに関するアートエンタメコンテンツも制作している。
僕はラジオの仕事をすることもあるので、今回MCとしてお招きいただきました。よろしくお願いします。
「私」や「さん付け」への違和感
ここからはお2人のお話を聞いていきたいと思います。
まず最初に2人が性的指向についてちょっと人とは違うのかなって思い始めたきっかけとかについてお伺したいんですけど・・・
ご自身のセクシュアリティが何かについて交えながらまずはまめたさんお伺いてしても良いですか?
まず最初に2人が性的指向についてちょっと人とは違うのかなって思い始めたきっかけとかについてお伺したいんですけど・・・
ご自身のセクシュアリティが何かについて交えながらまずはまめたさんお伺いてしても良いですか?
はい、えっと私はトランスジェンダーで恋愛の対象は女性です。
女性から男性へのトランスジェンダーです。いつぐらいから、というのは難しい質問ですが、トランスジェンダーという言葉を知ったのは高校1年生の時。
でも、3歳とか4歳くらいから全然女の子っぽくはなかったし、小学1年生の時に、今でも覚えているんですけど、学校で「くん」付けとか「さん」付けされる時に自分は「さん」付けの班に入れられていて。
女性から男性へのトランスジェンダーです。いつぐらいから、というのは難しい質問ですが、トランスジェンダーという言葉を知ったのは高校1年生の時。
でも、3歳とか4歳くらいから全然女の子っぽくはなかったし、小学1年生の時に、今でも覚えているんですけど、学校で「くん」付けとか「さん」付けされる時に自分は「さん」付けの班に入れられていて。
でも2年生になったら1年1組は2年2組になるみたいに、単なる班だと思ってたから、そのうち変わるかなと思ってたり。
あと、作文の時とかに男子だったら「僕」、女子だったら「私」だったけど、どうしても「私」って書くのが気持ち悪かったり。
結構小学1年生とかでも色々あったし、その後も制服がイヤだったりとかずっとあった。でも情報はなかったから、トランスジェンダーという言葉も知らなくて、言葉として考え出したのは高校1年生かな。
で、女の子が好きって分かったのは中1くらいの時ですね。
あと、作文の時とかに男子だったら「僕」、女子だったら「私」だったけど、どうしても「私」って書くのが気持ち悪かったり。
結構小学1年生とかでも色々あったし、その後も制服がイヤだったりとかずっとあった。でも情報はなかったから、トランスジェンダーという言葉も知らなくて、言葉として考え出したのは高校1年生かな。
で、女の子が好きって分かったのは中1くらいの時ですね。
じゃあ、高校1年生の時にトランスジェンダーって言葉に出会った時はほっとしたんですか?どういう感覚?
そうですね・・・「周りの女子は自分と同じように制服とかめちゃめちゃイヤなのに頑張って着てる」と思ってたんですよ。
みんなもイヤだと(思ってると)思ってたんだ。
みんなもイヤなのに無理して着ているから、自分も頑張って校則守らなきゃって。
そんなわけないじゃん、って今なら思うんですけど。
そんなわけないじゃん、って今なら思うんですけど。
いつ、そんなわけないって気づいたの?
うーん、結局1番確実にそんなわけなかったって気づいたのは、インターネットで調べてたら、そこで「制服がイヤだ」「そうそう」って掲示板で書き込んでいるのを見て。「あれ、なんか周りの人は思ってなかったんだ」って思いました。
この話を逆のタイプ(男性から女性へ)のトランスジェンダーの人に話したら、その人は男子制服を着ていたんだけど、やっぱり「みんな(周りの男子)は女の子の格好をしたいのに我慢している」って思っていたみたいで。
やっぱり自分の中に「トランスジェンダー」という言葉とかがないと、他の人の感じ方と自分の感じ方を比べるのが難しいなって思った。
この話を逆のタイプ(男性から女性へ)のトランスジェンダーの人に話したら、その人は男子制服を着ていたんだけど、やっぱり「みんな(周りの男子)は女の子の格好をしたいのに我慢している」って思っていたみたいで。
やっぱり自分の中に「トランスジェンダー」という言葉とかがないと、他の人の感じ方と自分の感じ方を比べるのが難しいなって思った。
そうだね、「自分はこういうの違和感なんだけど」ってなかなか言わないもんね。
じゃあ、インターネットとかを活用して徐々に「みんなと感じていることが違うんだな」、「あ、俺ってトランスジェンダーなんだな」って気づいていったって感じなんですね。
じゃあ、インターネットとかを活用して徐々に「みんなと感じていることが違うんだな」、「あ、俺ってトランスジェンダーなんだな」って気づいていったって感じなんですね。
母親に恋愛の話をしたら、そのままセクシュアリティの気づきに
今度はレロさんにも伺いたいんですけど。レロさんのセクシュアリティはなんなのかと、どういうきっかけで気づいたかお話いただけますか?
まずそもそも前提として、私はまぁセクシュアリティについて聞かれたらレズビアンって言っているんですけど、ほぼレズビアンっていう時もあって。99%女性が好きなんですけど、分からないじゃないですか。一生死ぬまで絶対男性を好きにならないって自信はないので、「ほぼレズビアン」と言ったりもしてます。でも基本的には分かりやすいので、レズビアンと言うことが多いです。
分かります。
いつ頃気づいたかは・・・初恋が小学5年生の時で、6年生にカチューシャとかが似合うフランス人形みたいな先輩がいて。教室移動の時に、その先輩がうちのクラスに授業を受けに来るみたいなのがあって、で、その時に毎回すれ違うんだけど、そのすれ違うのがすごく嬉しくて、それで気づいたというか。
それまでは恋っていうものは物語の中のことで、どんな気持ちなんだろう、自分はそんな気持ちを持つことがあるのかなって思っていたんですけど、このすれ違うのが毎回ドキドキして「おっ、これじゃないかな。毎回ドキドキする感じは恋じゃないか」って思った。それで最初気づいた。
それまでは恋っていうものは物語の中のことで、どんな気持ちなんだろう、自分はそんな気持ちを持つことがあるのかなって思っていたんですけど、このすれ違うのが毎回ドキドキして「おっ、これじゃないかな。毎回ドキドキする感じは恋じゃないか」って思った。それで最初気づいた。
でも、その時は私の中ではレズビアンであると気づいたというよりは、初めて恋という感情を知ったという気持ちの方が強くて。
で、母親に言ったんですよ。「恋というものを初めて体験したと思う」って。
そしたら母親が、どんな人だったのかと聞いてきて。
まぁだから「すごくカチューシャが似合う、フランス人形みたいな先輩で」って話したんですよ。
それで母親が「あ、女の子なんだ」みたいなこと言ってきて。「同性愛というものがあるから、あなたも同性愛者なのかもしれないね」って。そこから同性愛というものを知って。
だから、母親にカミングアウトっていうか、カミングアウトっていう概念はないんだけど、初恋の経験を話したのがそのままセクシュアリティの気づきになった。
で、母親に言ったんですよ。「恋というものを初めて体験したと思う」って。
そしたら母親が、どんな人だったのかと聞いてきて。
まぁだから「すごくカチューシャが似合う、フランス人形みたいな先輩で」って話したんですよ。
それで母親が「あ、女の子なんだ」みたいなこと言ってきて。「同性愛というものがあるから、あなたも同性愛者なのかもしれないね」って。そこから同性愛というものを知って。
だから、母親にカミングアウトっていうか、カミングアウトっていう概念はないんだけど、初恋の経験を話したのがそのままセクシュアリティの気づきになった。
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