ディスレクシアとは?読み書きが苦手なあなたへ
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勉強が苦手なあなたは、努力が足りないのではなくて、自分に合った学び方を知らないだけかもしれません。
今回は読み書きが苦手なケースについて考えたいと思います。
読み書きが苦手な人の例
鉄道が大好きなノボル(仮名)と出会ったのは彼が小5の時でした。ノボルが一番苦手としていたのが、文を読んだり、書いたりすること。
音読の宿題は、いつもテキトーで、よく怒られました。漢字のテストはまるっきりダメ。
黒板の字をノートに写すのも一苦労で、自分の字が汚くて読めないこともしばしば…。
「このままじゃ高校に行けないよ」と言われ、さすがに不安になります。
そこで教科書を開くのですが、字がまるで泳ぐようにグルグルまわって、ちっとも頭に入ってきません…。
読み書きが苦手だった理由…ディスレクシアかも?
映画「ジュラシックパーク」(2015年に続編の「ジュラシックワールド」が公開)のモデルになった恐竜研究者は、本を読むことや論文を書くことが苦手で、発掘ばかりしていたおかげで大発見をしました。それに、「ジュラシックパーク」を制作したスティーヴン・スピルバーグ監督だって、教科書を読むことが大の苦手で、たくさんのいじめも受け、2年遅れで学校を卒業しました。
ノボルや、映画監督のスピルバーグなど、読み書きに特別な困難を持つタイプを「ディスレクシア(読み書きLD)」と呼びます。
ディスレクシアは、「読む・書く」ことに使う脳の部分が、人とはちょっと違っていることが原因ですが、「違う」というだけで、「人より劣っている」ということではありません。 詳しく知りたい人は、品川裕香『なまけてなんかない!ディスレクシアの男の子のはなし』(岩崎書店・2017年)をぜひ読んでください。
ディスレクシアでも勉強ができる様になる?
読み書きに困難を持つディスレクシアは、別名「プリント障害」とも呼ばれていて、紙のプリントで勉強することが最も苦手。何度も読んだり、書いたりすることは、逆効果です。
ノボルも漢字テストの練習などで、何度も書かされることが1番嫌いでした。
ディスレクシアに適している学習方法の1つは、スマホなどのIT機器を活用することです。
最近では文字の大きさやフォント、レイアウトを自由に変えることができるようにデジタルデータ化された教科書があります。
自動的に文章を読み上げてくれるソフトも手に入れることができるようになっています。
また、2016年4月からスタートした「障害者差別解消法」という法律によって、読み書きLDなどの困難さを取り除く取り組みが、学校や会社で進められるようになりました。
この法律はまだあまり知られていませんが、自分に合った学び方をリクエストすることは、法律で保障されたみなさんの権利です。
学校のテストや高校・大学の入試でも、問題用紙や解答用紙を大きくしたり、試験時間を延ばしたり、答えを記号で選ぶ方法に変えて受けることが可能になっています。
読み書きが苦手でも、自分に合った学び方を知れば、世界中のあらゆる情報や知識にアクセスすることができます。
学ぶことは、人に合わせることではなく、自分のスタイルを持つことです。
ぜひ、個性的なスタイルで、自分らしい「学び」を作ってください。
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