大学無償化とは?#2
奨学金とは?種類や返済・申込方法などを解説!
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奨学金という制度を耳にすることはたくさんあると思いますが、あまり詳しく知る機会は少ないですよね?大学や専門学校へ入学して卒業するまでには、とてもお金がかかります。
けれど、大学や専門学校に行かなければ就くことが難しい仕事もあります。
そこで、みなさんの「こんな仕事に就きたい」「こんなことを勉強したい」を実現するために、国や地域、民間の団体が金銭面からサポートしてくれる仕組みが奨学金です。
大学や専門学校に進学するときなどに申請できる奨学金。どんな種類があるのか、どのように返済するのか、申込はいつする必要があるのかも?複雑な仕組みをわかりやすく解説します!
奨学金の種類:返さなくて良い「給付型」・返さないといけない「貸与型」
奨学金には大きく2種類、「給付型」と「貸与型」があります。給付型は借りたお金をあとで返す必要がないですが、貸与型は卒業後に返さなければいけません。
また、貸与型の中には利子がつくものもあり、利子がつくと返済時に、借りた金額よりも多くの金額を返さなければなりません。
「返さなくて良いなら、給付型の方が良いじゃん!」と思いますよね。その通りです。
しかし、残念ながらまだ日本では奨学金の制度が十分に整っていないため、給付型奨学金を受けとることのできる人数は限られています。
下の表は給付型、貸与型(利子無・利子有)の奨学金の一例です。 日本学生支援機構の給付型は、「大学無償化って?①~高校中退や進学後ももらえるの?いつまでに申し込まないといけない?~」で詳しく説明していますのでよければ見てみてください。 「利子無」の貸与型奨学金は給付型と併用できるので、給付型だけでは足りない場合に利用できます。その場合、借りれる金額に限りがあるのと、貸与型は返さないといけないので、それも踏まえて計画してみてください。
一方で「利子有」は給付型奨学金を利用していても制限なく併用できますが、借りた金額よりも多く返す必要があるので使うときは注意しましょう。
また、ひとつの奨学金制度で得られる金額は決して大きくはないため、多くの奨学金は他の奨学金と一緒に利用することも可能です(できないものもあるので確認してください)。上で紹介した日本学生支援機構の給付型奨学金をもらっている場合、一緒に借りれない奨学金が多くなっているので要注意です。
奨学金の返済方法
例えば A さんが、利子付きの貸与型奨学金で、平均的な金額である 月10万円(年120万円)を 大学4年間借りるとします。その場合、借りる合計の金額は4年間で480万円になり、年0.33%の利子がつくと返さなくてはいけない金額は全部で496万8451円になります。お金を返すスケジュールは以下のようになります。返す方法には、毎月決まったお金を返す方法と、収入によって毎月返す金額を変えられる方法がありますが、ここでは毎月決まったお金を返す場合で考えてみます。
もし収入面や体調面などでお金を返すことが難しい時期がでてきたら、返す期間をずらしたり、毎月の返す金額を減らすことができる仕組みもあります。
大学を卒業した社会人の最初の月の給料は 平均20万円ですが、税金などが差し引かれるため、実際にもらえる金額は16万円程度です。そのうち2万円は決して少ない金額ではないので、そのあたりも踏まえながら、どの奨学金を利用するかを考えると良いかもしれません。 「奨学金貸与・返還シミュレーション」(日本学生支援機構のホームページ)で、奨学金のシミュレーションをすることができます。
また 、他にも大学や地方公共団体などが行っている奨学金制度もあり、「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」(日本学生支援機構のホームページ)で調べることができます。
奨学金の申込方法~進学前・後に申込可能~
借りることのできる金額や申し込み時期・方法は、奨学金によってそれぞれです。たとえば、独立行政法人日本学生支援機構(通称:JASSO)が行っている奨学金制度は、
大学進学における奨学金制度のなかでもっともメジャーなものですが、進学前、進学後のどちらでも申し込みができます。
日本学生支援機構の奨学金の場合は、どちらの場合でも今通っている高校や進学後の学校で「奨学金を使いたい」と申し出れば、手続き方法など教えてもらえるはずです。また、進学する前に申し込んでだめだった場合も、進学後にもう一度申込みをすることができます。
以下は進学前に申込場合の大まかな流れです。奨学金によって手続きの方法は様々ですが、高校2~3年生の段階で申請するものもあるので、早めにチェックをしてみてください。 ちなみに、日本学生支援機構の奨学金では、高校に通っていなくても、高卒認定試験に合格している人は、奨学金を受けることができます。申し込みは、日本学生支援機構に直接できます。
親に相談する必要はある?
一般的に、奨学金を利用する人の多くは未成年であることから、ほとんどの奨学金は保護者など大人の同意を必要とします。たとえば、日本学生支援機構で貸与型の奨学金を借りる場合には、保護者が連帯保証人(もし何らかの理由により自分で奨学金の返済ができなくなった場合に、代わりに返済する責任を負う人)となるケースが多いです。
また、保証料というお金を払えば連帯保証人を必要としない「機関保証制度」もありますが、この場合にも本人以外の連絡先を届け出る必要はあるので、まず保護者か信頼できる大人に相談しておくと安心です。
ただし、児童養護施設や里親のもとで暮らしているなどで、親の同意を得るのが難しい場合は、親の代わりの人が代理人になり、一定の条件の下で申請することができます。児童養護施設や里親、交通遺児など、親に頼ることが難しい子ども向けの奨学金が用意されているケースもありますので、ぜひインターネットで検索してみてください。
児童養護施設(一部里親や児童養護施設以外の施設も利用可)を対処して進学する際に利用できる奨学金一覧(2022年7月版)
保証人になってくれる人がいないかもしれないという時は、一度奨学金の窓口に問い合わせをしてみるといいかもしれません。
日本学生機構の場合は、学校に窓口があるので、学校の奨学金に問い合わせてみてください。
まずは調べてみよう
先ほど、日本学生支援機構による奨学金制度を紹介しましたが、奨学金はまだまだたくさんあります。担任・進路指導の先生にお願いすれば、何らかの情報や資料をもらえます。
自分でインターネットを使って調べてみることもできます。ただし正しい情報でない可能性もあるため、事前に問い合わせたり、親や先生に確認してもらえると安心です。
日本学生支援機構以外の奨学金については、以下も参考にしてみてください。
大学・地方公共団体等が行う奨学金制度
Mexには他にも以下のような記事があります。気になった方は読んでみてくださいね。
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