大学無償化とは?#3
給付額で足りない時は?成績は関係ある?
- 進学・中退
- お金
前回は、年間で最大200万円負担が減る?についてでしたが、今回は足りない分の用意の仕方や、高校の成績についてみていきたいと思います。
※こちらの記事は2020年度時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は文部科学省のページからご確認ください。
大学無償化(給付)だけでは足りなかったらどうする?
全額免除だと多くの部分が奨学金でまかなえますが、全額免除でない場合は、足りない部分が出てくるかと思います。JASSOでは給付型(あとでお金を返す必要がないもの)だけでなく貸与型奨学金(あとでお金を返す必要があるもの)も用意しています。
お金を借りることになるので、給付型で足りない場合には、自分が無理なく返せる範囲で借りることが大事です。貸与型には、利子があるものと、利子がないものがあって、それぞれで借りれる金額の上限が異なります。 2/3免除の場合、授業料と生活費を合わせて、月に3万~9万円ほど足りないことになります。1/3免除の場合は、授業料と生活費を合わせて、月に5万~14万円ほど足りないことになります。
勉強と両立しながら、時給1000円のアルバイトを無理なく行うとしたら、週に12時間くらいが目安になると思います。そうすると5万円ほどになるので、残りを奨学金で借りるとよいでしょう。
ちなみに、月10万円を4年間借りる場合、借りる金額の合計は480万円になり、利子も含めると約500万円ほどになります。そうすると、毎月2万円を20年間(約40歳頃まで)にわたって返済することになります。
大学を卒業した社会人の平均給料が約20万円で、手取りでいうと16万円ほどになります。東京で一人暮らしが15万円ほど必要な中、そのうちの2万円を奨学金返済に充てるのは、実は簡単ではありません。奨学金返済については学校や、親や、頼れる大人としっかり相談して決めていきましょう。奨学金の返済についてもっと知りたい方はこちらの記事もあります。「奨学金とは?種類や返済・申込方法などを解説!」
そもそも大学無償化を利用しても、進学時には100万円ほど支払う準備が必要!
大学無償化を利用したとしても、自分で入学金や授業料を先に支払う必要があるので注意が必要です。だいたい大学で80万円~130万円ほど、専門学校で100万円~120万円ほど、入学申し込み時(2月~4月頃。大学によって異なります)に払う必要があります。もし貯金がなくて入学時に支払うお金がない場合は、生活福祉資金貸付制度【教育支援資金】というもので50万円程度まで借りることができます。こちらは世帯の所得が住民税非課税の方や他から借りることが難しい世帯の方も申込むことができ、入学前の支払いには間に合います。また、卒業後6ヶ月以内に返せば大丈夫なので入学金や授業料の補助が出てから返すことができます。申し込みから入金されるまで早くても1ヶ月はかかるので、入学金等の支払時期(主に2-4月頃)に間に合うように、12月頃までには申請の準備をはじめると安心です。但し、申し込みは、自分の住んでいる地域の社会福祉協議会というところでできます。住んでいる地域の社会福祉協議会がわからなければ、こちらで探すことができます。
自分が申し込みできるかわからなければ、まずは自分の地域の社会福祉協議会に問い合わせて聞いてみるのが良いと思います。 もう一つ、日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)というもので借りることもできます。こちらは最大で1人350万円まで借りることができますが、大学等に入学する方の保護者が申込むものになっています。利子がある(借りた金額よりも返す金額が多い)ものですし、早くて借りた翌月から返済していくことになるので、どれくらいの金額なら自分で返していけるかなど考えてから申込むのが大事です。
入学金のために借りる場合は、契約する時までに合格を確認できる書類の写しを用意しておく必要があるので注意してください。契約が完了すれば20日程度で入金されます。
入学時に支払うお金が足りない場合は、まずは生活福祉資金貸付制度【教育支援資金】を借りて、足りない分を日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)で補うのがお勧めです。
親に頼れず、児童養護施設や里親と生活した場合、別の奨学金もいくつかあります。入学準備金として使えるものもあるので、こちらもぜひみてみてください!奨学金・資格取得等助成制度一覧※1
成績3.5以上か、大学進学に意欲があること、どちらかがあれば大丈夫!
学力は、成績だけでなく意欲によって判断してもらえれば受けられるので、あまり心配せず、奨学金をもらいたいことを高校等の担当の人に伝えると良いと思います。・申込み時点で、高校等の全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上ある
・将来、社会で自立し、及び活躍する目標を持って、進学しようとする学習意欲があること
上のどちらかを満たせば申込みできます。
奨学金に少しでも興味があれば、まずは高校等の奨学金担当の先生に、進学したい理由や将来やりたいことなどを伝えましょう。
合わせてこちらの記事も是非読んでみてください!
※