中卒後進路のいろいろ #2
定時制高校と通信制高校ってどんな学校?入学方法や費用はどれくらい
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高卒資格が取れる学校とは?学校の種類と違いって?では、中学卒業後の進路について紹介しました。
今回は、前回紹介した中から、定時制高校と通信制高校の違いについて紹介します。


定時制高校と通信制高校の違い
高卒資格が取れる学校とは?学校の種類と違いって?で紹介したように、学校を区別するものの1つに「課程」というものがあり、学ぶ時間や場所の違いがあります。逆に、それ以外にはほとんど違いがなく、どの課程を選んだとしても「高校」なので、卒業すれば学歴として「高卒」と言うことができます。
下の表は、前回も紹介した定時制高校と通信制高校の特徴です。
定時制課程 | 通信制課程 | |
勉強する場所 | 学校 | 自宅(自宅学習コース)か 学校(通学コース)か選べる |
1日の授業時間の目安 | 4時間程度 (通う時間を午前・午後・夜間から選べる) | 自宅学習の場合は自由 通学する場合は6時間程度 |
卒業年数の目安 | 3~4年 | 3年~制限がないところが多い |
定時制高校は、昼間のアルバイトなどとの両立は他の学校よりもしやすいと思いますが、通学は毎日することになるため、気軽な気持ちで通おうとすると、想像以上に大変かもしれません。
実際には、やる気が出ないなどの理由から、全日制の高校より学校に通わなくなる生徒の割合は高くなっています。
自分が興味を持てたり、通いやすい近さにある学校を選ぶことも大切かもしれません。
通信制高校は、自由に場所や時間を選んで勉強できますが、その分自分でスケジュールを立ててレポートを提出したり、面接指導を受けに行かなければなりません。
その分、入学後に中退する割合が全日制の高校と比べて高いのが現状です。
計画をたてて進めるのが得意な人や、目的を持って仕事と勉強を両立させたい人には向いている学校かもしれません。
自分で勉強を進めるのが難しい場合は、通いたい通信制高校と連携して勉強をサポートしてくれる塾のような「サポート校」や、将来の仕事に役立つ専門知識を身に着けることができる「技能連携校」という学校を利用することもできます。
どちらも通信制高校の学費とは別に費用がかかります。
入学するにはどうすればいい?
それでは、どうすれば入学できるのでしょうか。定時制課程 | 通信制課程 | |
入試 | 国語・英語・数学の筆記試験と調査書などの書類の提出 | 面接・作文・願書などの書類の提出 (公立高校では、筆記試験を実施する学校もある) |
入学時期 | 4月 | 2学期制の学校は4月と10月 (一年中入学が可能な学校もある) |
普通の高校と同じく、学校によって出題などもさまざまなので学校のホームページや募集要項を良く確認してください。
10月入学の場合、9月卒業となるところが多いですが、その場合、大学入試の時の区分が既卒(浪人生と同じ)になり、推薦入試を実施していない学校もあります。
推薦入試を考える場合は単位取得のスケジュールを調整し、3月卒業にできるよう検討してみるのも1つの方法かもしれません。
定時制高校と通信制高校の学費

学費は地域や学校によっても様々なので、必ずホームページなどで確認してください。
定時制課程 | 通信制課程 | |
入学金 | 公立: 2100円 私立:8~30万円 | 公立:500円 私立: 1~10万円 |
授業料 | 公立:3万2400円/年または1740円/単位 (1年で25単位取得する場合、4万3500円) 私立:15~50万円/年 | 公立:336円/単位 (1年で25単位取得する場合、8400円) 私立:7000~1万5000円/単位 (1年で25単位取得する場合、17万5000円~37万5000円) |
その他費用(教科書代など) | 公立:8万4000円/年 私立:11~30万円/年 | 公立:1万5000円~3万円/年 私立:3万5000~25万円/年 |
合計 | 公立:11万8600~12万9700円/年 私立:34~110万円/年 | 公立:2万3900~3万8900円/年 私立:22万~72万5000円/年 |
サポート校の学費の分は、下に書いてある金銭的なサポートが受けられないので、注意してください。
学費を金銭的にサポートしてくれる制度もある
世帯年収によって国から学費の支払いをサポートしてもらえる仕組みもあります。「高等学校等就学支援金制度
定時制も通信制も、取得する単位数によって授業料が変わる場合は、単位数に応じて支給される額が変わります。
また、「高校生等奨学給付金
住んでいる地域によって細かい仕組みは異なるので、詳しく知りたい方は、各都道府県の奨学給付金の窓口に問い合わせてみてください。
高校生等奨学給付金のお問合せ先一覧(文部科学省のHP)
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