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2020.10.06
視線や音、場の空気などに対して他の人よりも敏感な人、またそれが理由で生きづらさを感じている人はもしかしたら、HSP/HSCが原因かもしれません。HSP/HSCについて詳しい、精神科医の長沼睦雄先生にお話を伺いました。
~目次~
・HSP/HSCとは
・HSP/HSCの特性
・HSP/HSCは遺伝によるもの?環境によるもの?
HSP(Highly Sensitive Person)というのは、1996年にアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が発表した概念で、生まれつきとても敏感な感覚や感受性を持った人たちのことです。HSC(Highly Sensitive Child)は、その子ども版で、15歳くらいまではHSCと呼びます。
HSP/HSCは大きく分けて、4つの特性があります。人一倍敏感な人には以下の4つの面が全て存在します。
4つのうち1つでも当てはまらないなら、おそらくここで取り上げるHSP/HSCではないと思います。アーロン博士は4つすべてが当てはまるのがHSPやHSCだと言っています。
1つ目の特性: 深く処理する(深く考える)(D: Depth of processing)
・物事の本質を衝くような鋭い質問をする
・大人の会話を聞いていて、聞きかじりの言葉を使って年齢のわりに大人びたことを言う
・ユーモアのセンスがある
・いろいろな可能性を考えて慎重になり、なかなか決断ができない
・じっくり観察してから考えるため、行動を起こすのに時間がかかる
などの特徴を指します。
判断に迷い、戸惑うのは、しばしば「臆病」「引っ込み思案」「優柔不断」のように言われがちですが、それは自分の中で深く処理をしているからです。
2つ目の特性:過剰に刺激を受けやすい (O: being easily Overstimulated)
・興奮することがあった日の夜は、いつまでも寝られない
・痛みに弱い
・暑さや寒さ、手足についた汚れ、濡れた衣服、足に合っていない靴などが気になってしょうがない
・サプライズが苦手
・人に見られたり、実力を試されたりする場面で、ふだんの力を発揮することができない
・イベントに参加したり、出かけたりすると刺激を受けすぎてそれに圧倒され、疲れる
などの特徴を持ちます。
3つ目の特性:全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い(E: being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular)
・よく泣く
・びっくりしやすい
・怖がり
・癇癪を起こす
など、ものごとに対してだけでなく、感情にも敏感です。
自分が怒られていないのに、きょうだいや他人が怒られていることを見ているだけで泣き出しそうになったり、病院など緊張感を感じる場所に固まって入れないなどの特徴があります。人は誰しも共感力を持っていますが、その程度が人よりも強いのです。
4つ目の特性:ささいな刺激を察知する(S:being aware of Subtle Stimuli)
・服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのが気になる
・服が少しでもぬれたり、砂がついたりすると、着替えたい
・いつもと違う臭いに気づきやすい
・うるさい場所が苦手
など、些細な刺激に気づきやすく、小さな物音、かすかな匂い、ほんのわずかな味の違い、人や物の些細な変化など、普通の人なら気づかないようなちょっとしたことがHSP/HSCの人にはとても気になってしまいます。
HSP/HSCは生まれつきの体質と言われています。
しかし、HSP/HSCは病気や障害ではありません。多数派が持たない、少数派の生まれ持った気質です。5人に1人がHSP/HSCなので、マイノリティではありますが、世の中に沢山います。
HSP/HSCは生まれ持った気質なので、本質的には変わりません。大事なことは、自分の特性を知って、それにあった対処法を身に着けることです。
後編ではもっと詳しくHSP/HSCの特性と対処方法についてお話を伺います。
HSP/HSCとの向き合い方についてはこちら(HSP/HSC後編)
2020.10.06
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