妊娠したかも。中絶を選んだら…
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気がつけば生理が来ていない、そんな状況になったら、とても不安になりますよね。
親にも彼にも友達にも話せない。周りを驚かせたくない。学校や進路もどうしたらいいんだろうと、思い悩みひとりで抱え込んでしまうことがほとんどです。
前回は妊娠とは?妊娠・出産の流れと心身への影響や相談先という記事でしたが、今回は、中絶についてお話をしていきます。
中絶するための条件とは?
生理が遅れている・妊娠したかもしれない…と感じたら、まずは妊娠検査薬を試しましょう。妊娠検査薬はドラッグストアで購入でき、次の生理予定日の1週間後、もしくは性行為から3週間後であれば使えます。詳しい使い方は、「妊娠初期の症状は?妊娠検査薬はいつから使える?」でまとめています。
もし中絶をしようとなった時、どんな時でも中絶ができるわけではありません。以下のような場合で、医師が「母体保護法」の対象になるとしたときのみ、中絶を選択することができます。
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①妊娠を続けることや分娩をすることが、その女性のからだまたはお金の問題によって、健康を著しく害するおそれがある場合
②暴行や脅迫によって望まない妊娠をした場合
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つまり、身体的な理由や経済的な理由で、妊娠や出産に必要な健康を維持することが難しい場合や、暴行や脅迫をされて望まない妊娠をして、医師が母体保護法の対象になるとした場合です。
中絶できる期間はいつまで?
そして、法律で定められた中絶期間があります。大きく分けて妊娠初期(妊娠7週~11週6日まで)と中期(妊娠12 週~21週6日まで)です。それぞれの時期によって、中絶手術の方法やその後の手続きが大きく変わります。そして、22週を過ぎると中絶手術はできなくなり、出産することになります。
望まない妊娠をしたから、簡単に中絶できるものではありません。しっかりとパートナーと話し合い、慎重に考えていかなければなりません。
中絶できる期間は、以下の図の水色の期間です。 中絶を選んだ場合、妊娠の週数にあわせて手術日の予約をおこないます。手術は、病院へ行ってすぐに決断しなくても大丈夫です。
よく考えて中絶を選んだ場合は、できるだけ早めに病院に行って、医師に自分の気持ちを伝えます。
そして、もしも中絶手術を決めた場合、医師から指定された日程や時間帯の中から手術日を選びます。
中絶の時期によって費用や入院などが大きく異なる
〇初期中絶(~11週6日まで)
麻酔をして、子宮(からだの中の赤ちゃんを育てる場所)の中身を取り除き、吸引又は掻把(かきだすこと)する方法で処置が行われます。だいたい30分以内で処置は終わり、体調に問題がなければ日帰りで帰宅できます。
費用はおよそ15~20万円です。母体保護法により指定された医師がいる病院で、先ほどお伝えした条件に当てはまる場合、手術をすることが可能です。
〇中期中絶(12週~21週6日まで)
薬で子宮の収縮(赤ちゃんを産むときにおこるものと同じ・痛みを伴う)を起こし、流産させる方法です。からだにかかる負担が大きいため、2~3日間の入院が必要になります。費用はおよそ30~60万円です。中期中絶は対応できる病院が少ないので、あまりぎりぎりにならないように決断できる方が良いと思います。
中絶の手術費は分割払いができないことが多く、一度に多くお金を準備しなければなりません。
さらに、12週以降の中絶の場合、役所に死産届の提出と赤ちゃんの埋葬許可証をもらう手続きが必要で、少なくとも5万円程度かかります。
そのため、金銭的な問題も含め、早めにどうするかを考えることが大切です。
親や相手に言えない・・中絶を悩んだ時の相談先
中絶手術はほとんどの場合、健康保険(国や会社が診療費の一部を負担する保険)が適応されず、全額自分で負担しなければなりません。妊娠12週以降の中絶手術の場合は手術料だけでなく入院費用もかかります。
さらには、中絶手術を行う場合には親の同意書が必要となる病院やクリニックが多いのが現状です。「親に知られたくない」「保険証や手術の費用が用意できない」という理由でそのままにしておくと、中絶できる週数を超えてしまう可能性もあります。
このような事態を防ぐためにも、知識を持っている大人や周りの大人へ相談しましょう。
様々な法律や制度を踏まえる必要があるので、どんな人が答えているか分からないようなインターネットの掲示板などではなく、年上の女性の知り合いや信頼できる大人、スクールカウンセラー、保健室の先生や信頼できると感じている学校の先生などに相談することがおすすめです。 インターネット上であれば、妊娠の相談を専門にしているところがおすすすめです。
信頼できる大人が近くにいないと感じたら、Mexで「妊娠」に関わる相談を受けている相談窓口を利用してみてください。
中絶した後のこころの変化
中絶した後、無気力になったり、落ち込みや悲しい・不安な気持ちが高まったり、自分を許せなくなる気持ちがでてきたりする人もいます。また、中絶後も排卵がいつ起こるか分からず、妊娠をする可能性もあります。
避妊には十分に注意して、正しい性の知識を身につけていくことが大切です。
もしも、中絶をすることになったり、手術をした場合、とてもつらい気持ちになるかもしれません。
そんなときは、悲しい気持ちを無理に抱え込まずに、思い切り泣いてよいと私たちは思っています。気持ちをためこまないことが、まずは1番大切です。
そして、早いうちに相談できる窓口へ連絡してみましょう。
あなたの悩みは、ひとりで抱えなくても大丈夫。
誰かに頼り、相談できたのならば「勇気を出して行動できた」という証でもあります。
もし相談できそうな大人が近くにいない…という人は、私たちのような活動をしている団体や相談窓口に相談してください。
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