妊娠とは?妊娠・出産の流れと心身への影響や相談先
- 妊娠(したかも)
生理が遅れていて、もしかしたら妊娠をしているかもしれない…。
そう悩んでいたり、彼女からそんな風に相談されている人もいるかもしれません。
よく妊娠について知らないと、どうすれば良いか分からなくなることもあるかもしれませんが、そもそも妊娠ってどういう状態のことなのでしょうか。
ここでは、妊娠をする仕組みから、身体の変化、検査の仕方や産むか産まないかの選択をいつすればいいのかなど、女子と男子どちらにも知っておいてほしいことをまとめました。
そもそも妊娠とは
妊娠は、性行為をした後に、妊娠する力がある卵子と、妊娠につながりやすい精子が女性のからだの中で出会うことからはじまります。2つが合体したものを受精卵といって、受精卵は1週間くらいで女性の子宮部分に移動します。その中の子宮内膜というふかふかのベッドのような組織の中に入りこむことを着床といい、その受精卵が着床することを「妊娠」と呼んでいます。
妊娠をしてからの身体の変化や、検査・妊娠・出産(中絶)の流れは以下のようになっています。
これって妊娠?妊娠の確認方法
頭痛やからだのだるさ、思いがけないタイミングでの出血で妊娠したかもと思う人もいるかもしれません。しかし、これらの症状は妊娠していない時に出ることもあるので、体調だけで判断することは難しいです。
そのため、生理予定日の1週間後以降(生理不順がある場合は性交渉から3週間後以降)に、ドラッグストアなどで売っている妊娠検査薬を使って必ず確認をするようにしてください。
妊娠検査薬の詳しい使い方は、「妊娠初期の症状は?妊娠検査薬はいつから使える?」でまとめています。
妊娠中~出産までの流れ
妊娠は最後の生理開始日を妊娠0週と数え、妊娠40週目が出産予定日として1つの目安になっています。妊娠期間中は妊婦健診を産科か産婦人科などの病院で受けなければなりません。検査薬で妊娠が判明したら、早めに病院にかかりましょう。
また、赤ちゃんやお母さんの体調が思わしくない時や、より慎重な観察が必要と判断した時は入院が必要になる場合もあります。
中絶したい時は
もしも2人でたくさん考えて中絶をしようとなった時、どんな時でも中絶ができるわけではありません。母体保護法という法律では中絶について定められています。以下のような場合で、医師が母体保護法に適応すると認めた場合のみ、中絶を選択することができると決められています。
- 妊娠を続けることや分娩をすることが、その女性のからだまたはお金の問題によって、健康を著しく害するおそれがある場合
- 暴行や脅迫によって望まない妊娠をした場合
つまり、身体的な理由や経済的な理由で、妊娠や出産に必要な健康を維持することが難しい場合や、暴行や脅迫をされて望まない妊娠をして、医者が母体保護法の対象になるとした場合です。
また、手術を受けられるのは、妊娠21週6日までと定められています。そのため、妊娠22週目を過ぎてしまうと、たとえ、暴行による妊娠であったとしても、中絶することができなくなります。
また、中絶が選択できる時期でもタイミングが遅ければ遅いほど、手術できる病院ができる病院が減るなどの理由から、安易に中絶を行うことはできません。
中絶するのが遅くなると費用や入院の負担も大きくなるだけでなく、女性のからだやこころへの負担もとても大きくなります。だからこそ、「妊娠したかも…」と思ったら、妊娠検査薬や病院などで早めに確認をするようにしてください。
妊娠の身体への負担や将来への影響
妊娠・出産は、その人にとても大きな影響を与えます。妊娠できたことの喜びだけでなく、学校への通い方や家族・友人関係の変化、子どもへの責任や将来の不安など、からだやこころに大きな負担となることもあります。
また、10代はまだホルモンバランスが安定しておらず、子宮や骨盤など妊娠・出産で重要な部分が十分に発達しきれていないため、妊娠中のトラブルが起きやすいと言われています。
大人と比べて、経済的な理由から中絶を選ぶ人の割合も多いです。
一方で、中絶をした女性がストレスを感じて長年苦しむということも少なくありません。
中には、中絶によって深い心の傷を負い、人間関係でのトラブルなど普通の生活を送ることが難しくなってしまう場合もあります。 思いがけない妊娠や中絶を防ぐためにも、きちんと避妊をするようにしましょう。正しい避妊についての情報は、「避妊のウソ・ホント!確実な避妊方法とは?」でまとめています。
カップルで一緒に性について話せる勇気を持ってほしいと思います。
妊娠で悩んだ時の相談先
もし妊娠していることが分かったら、その後に様々な選択肢があります。産む・産まない以外にも、例えば自分で育てずに特別養子縁組という制度を利用して、子どもを望む家庭で育ててもらうことや、地域で運営をしている施設でのサポートをしてもらえないか相談をするなどの選択肢もあります。
また、お金や学校、これからの人生のことなど、たくさんのことを考える必要があります。
未成年の場合は中絶するには大人の同意が必要など、自分たちだけでは解決できないこともあり、周りの大人の力が必要になります。