中卒後進路のいろいろ#4
高等専門学校や高等専修学校って知ってる?進路は普通科高校だけじゃない
- 進学・中退
中学卒業後の進路は「高校」だけではありません。
今回は、中学卒業後の進学先として、高校以外の学校や居場所について紹介します。
専門的な教育を行う高等専門学校と高等専修学校
「高卒資格が取れる学校とは?学校の種類と違いって?」でも紹介したように、中学卒業後、より深く専門科目を学びたい!という人には、専門学科の高校で学ぶ以外にも、高等専門学校(高専)または高等専修学校に進むという選択もあります。
どちらも専門的なことを学べるという点では同じですが、高等専門学校は高校と短期大学を兼ね備えた学校で、3年修了すれば高卒資格がもらえます。
高等専修学校は専門学校を中卒者向けにした学校で、制度上卒業しても高卒にはならないので卒業しても最終学歴は中卒になります。
高等専門学校と高等専修学校の違いは以下の通りです。
高等専門学校(高専) | 高等専修学校 | |
卒業年数 | 5年 | 1~3年 (大学の入学資格がもらえる学校※1は3年) |
卒業したら? | ・3年修了した時点で高卒資格がもらえる ・卒業(5年)すれば大学の3年生として編入ができる | ・高卒資格はもらえないが、大学入学資格がもらえ、大学や短期大学を受験できる※2 ・3年制の学校を卒業すると専門学校が受験できる |
最終学歴 | 卒業(5年)すれば準学士(短期大学の卒業者と同じ称号)がもらえる | 最終学歴は中卒になる |
高等専門学校はロボットや機械、システムなどの技術者や航海士などの船に関わる技術を身につけたい人が多く、高等専修学校は、調理師やファッション系などの資格取得や准看護師になるための試験の受験資格の取得を目指す人が多いです。
卒業後は、高等専門学校も高等専修学校も、大学や専門学校に進学する人と就職する人で半分ずつぐらいのようです。
高等専門学校にはどうすれば入学できる?
高等専門学校は、一般の高校と同じく願書や調査書を提出し、1~2月頃に実施される学力試験を受けて合格すれば入学することができます。(面接などを行う推薦入試を実施しているところもあります)全国の高等専門学校の一覧は、公立私立高等専門学校(文部科学省のHP)、国立高等専門学校(国立高等専門学校機構のHP)で確認できます。ほとんどが国立校で、私立校は4校あります。
高等専門学校の学費の目安
気になる学費は、以下の通りです。高等専門学校の学費の目安
国立・公立高等専門学校 | 私立高等専門学校 | |
入学料 | 84,600円 | 約20万円~ |
授業料 | 234,600円/年 | 約50万円~ |
学費の負担を下げる方法
国から学費の支払いをサポートしてもらえる仕組みを利用できます。3年生までは、高校と同じく、「高等学校等就学支援金制度」が利用でき、保護者の年収が約910万円未満であれば、授業料が一部~全額支給されます。
さらに、保護者の年収が約270万円未満であれば「高校生等奨学給付金」も利用できます。きょうだいの人数や保護者の年収によって金額は変わりますが、年間おおよそ3万円~15万円支給されます。
住んでいる地域によって細かい仕組みは異なるので、詳しく知りたい方は、各都道府県の奨学給付金の窓口に問い合わせてみてください。
高校生等奨学給付金のお問合せ先一覧(文部科学省のHP)
高等専修学校にはどうすれば入学できる?
高等専修学校は、書類や面接・作文によって合否を判断するところや、普通の高校と同じく学力試験を行うところもあるなど、学校によって様々です。学費についても、学校によって様々なので一概に目安を提示することはできません。高等専修学校へ進む人は保護者の年収によって高校学校等就学支援金制度や奨学給付金を利用することができます。支給される条件は、上記の高等専門学校と同じです。
そうしたことも踏まえた上で、学費についても検討してみてください。
学校に行きづらい人のためのフリースクール
学校に通うことや、家から出ることが難しい生徒の居場所づくりや学習指導をしているところに、フリースクールというものがあります。通う頻度も自由なところが多く、月3万円程度から利用できる場所です。(フリースクールによって料金は異なります)
こちらは「学校」ではありませんが、一般的な学校のように部活動のような活動を行っていたり、体験活動などの行事を行っているところが多いです。
フリースクールは学校ではないので卒業しても高卒資格を得ることはできません。しかし、勉強をして高卒認定試験に合格すれば、大学や専門学校の受験ができるようになり、選べる仕事の選択肢も広がります。
中学卒業後の進路は高校だけじゃない
このように、中学校卒業後はたくさんの進路があります。もちろん、進学以外にも就職するという選択肢もありますが、現在は中卒で就職する割合が少ないため、高卒の資格がない状態での就職は、仕事の内容が限られてしまうことも多いです。
中学卒業後、どうしても就きたい職業がある場合以外、高校(または高卒資格を取れる学校など)を卒業してから就職した方が、仕事の選択肢も広がり、将来やりたいことにつながるかもしれません。
学校の情報は、インターネットや学校への資料請求、体験授業などで知ることができます。いろいろな学校を比べてみて、自分に合いそうな学校を探してみてください。
※