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みなさんは、社会人になって月給20万円の仕事に就いたら、20万円がそのまま給料としてもらえると思っていませんか?実は、社会人になると、月給から「社会保険料」などが引かれ、手取りは少なくなります。
もしかしたら就職先を探している人は、「社会保険完備」「社保完備」と書いてある求人を見たことがあるかもしれません。社会保険完備とは、健康保険、厚生年金保険、労災保険(労働者災害補償保険)、雇用保険の4つにすべて加入できるという意味です。※労災保険は、会社が全額負担なので、給与明細には記載がありません。
病気や事故に遭って入院したり、からだに重い障害が残ったり、仕事を辞めることになってしまったり…など、生活していると様々なことが起きると思います。
何事もなく過ごせるのが理想ですが、うまくいかないことは誰にでもあることです。
そんな時に、みなさんを助けてくれるのが、社会保険です。
基本給から差し引かれる「社会保険」とはいったい何なのか、いまいちよくわからない…。今回は、そんな社会保険の4つ(健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険)のうちのひとつである雇用保険について見ていきます。
~目次~
・雇用保険とは?入ると何がいいの?
・失業したらお金がもらえる?失業手当とは?
・失業手当受給中に就職が決まったら?再就職手当とは?
・育児や介護で働けない時・・雇用継続給付とは?
・仕事を辞める・休む時、とても助かる雇用保険
雇用保険とは、仕事を失って所得がなくなった時に、生活の安定や再就職をサポートするための保険をいいます。簡単に言い換えると、「仕事がなくなった時や、仕事をすることができなくなった時に助けてくれるもの」です。
雇用保険に加入するためには、
・勤務開始時から最低31日間以上働く見込みがあること
・1週間あたり20時間以上働いていること
・学生ではないこと(例外あり)
の3つの条件を満たす必要があります。
つまり、アルバイトではなく社員として働く場合はほとんど加入の条件を満たします。
失業した時に、次の仕事が見つかるまでの間にもらえる1日あたりの給付額のことを「基本手当日額」といいます。
その、基本手当日額は、仕事を辞める前の6か月間の給料によって変わってきます。
この計算方法は難しいので、ここでは例のみ挙げておきますが、月給20万円と30万円では下記のような違いになります。
また、失業した場合に受けることができる失業手当は、雇用保険に加入していた期間(入社時から入っていたら、働いた年数と同じ)によって変わってきます。
失業手当としてもらえる日数(所定給付日数)の上限を過ぎてしまうと手当が打ち切りになるので、Aさんのようなケースの場合には90日間に次の仕事を見つけるのをおすすめします。また90日よりも早く見つけた場合はもらえる金額は減ります。例えば70日で就職した場合、70日分までしかもらえなくなります。ただし、90日より早く再就職できた場合には、再就職手当という別の手当がもらえるので、それについては次に述べます。
失業手当をもらっている期間に、もし早期に安定した仕事が見つかった場合、失業手当は打ち切りになりますが、その代わりに「再就職手当」をもらえます。再就職が決まるのが早いほど、多くの額をもらえるため、基本手当の支給残日数が3分の2以上残っている場合は、基本手当の支給残日数の70%の額、3分の1以上残っている場合は基本手当の支給残日数の60%の額が支払われます。1/3以上(90日の場合30日以上)残ってない場合はもらえません。
辞めてから70日で再就職した場合(残り20日) | 辞めてから50日で再就職した場合(残り40日) | 辞めてから20日で再就職した場合(残り70日) | |
再就職手当の支給率 | 0% | 60% | 70% |
再就職手当としてもらえる金額 | 0円 | 5,000円x40日x60%=12万円 | 5,000円x70日x70%=24.5万円 |
失業保険の金額 | 5,000円x70日=35万円 | 5,000円x50日=25万円 | 5,000円x20日=10万円 |
失業保険+再就職手当の合計額 | 35万円 | 37万円 | 34.5万円 |
また、再就職手当を受給していて、再就職先の給料が前の仕事より下がってしまった場合には、「就職促進定着手当」を受け取ることもできます。
会社で働いている人が、育児や家族の介護を理由に働けなくなった場合、給料の支払いはなくなりますが、代わりに、雇用保険から一定額の支給があります。
「育児休業給付金」は、1歳に満たない子を育てるために休業した期間に給付されます。
現在の制度では、育児休業開始から6ヶ月間の給与で計算されます。こちらも複雑なので計算式は省きますが、例えば平均月給が20万円だった場合には、以下のように1年間休んだ場合、給料がなくなる代わりに、約140万円が雇用保険から支払われます。雇用保険に入っていないと、この育児休業中の1年間は収入がなくなってしまうので、とても助かる制度だということが分かると思います。
休業期間に分割して短期間取得することや、夫婦の間で取得時期をずらして育休を交代するなど柔軟に働き方、休み方を選択することもできます。(2022.10〜)
同じように、育児の時だけでなく、介護の時に休まざるをえない時にも、育児休業の時よりは期間が短いですが、介護休業給付金が支給されます。
いずれも、休業がはじまる日以前に、12ヶ月以上雇用保険に入っていることなど、条件はあります。また、契約社員や派遣社員であっても、休業のあとも更新が見込まれる場合には、男女問わず、いくつかの条件を満たしていれば受給可能です。
就職したけど、事情があって辞めることになった時や、妊娠・介護などで休むことになる間に、まったく給料がなくなるのは、生活面でとても不安が大きいです。
そういった時に保障してくれるのがこの雇用保険なのです。今回記事に書いたもの以外にも、資格取得の補助の仕組みなどもあります(教育訓練給付)。
入ってるのと入っていないのとでは、何かあった時の安心感が全く違うので、就職時に雇用保険があるところを選ぶことはとても大切になります。なお、いずれの給付もハローワークでの申請が必要になりますので、辞める前に手続き方法については確認をしておきましょう。
ちなみに、給与明細には反映されないですが、労働者はアルバイトや社員関係なく、全員労災保険(労災)に加入しており、仕事中のケガなどはこの労災でカバーすることができます。こちらは会社負担なので、労働者が払うものではないので、給与明細には特に出てきません。
仕事中のケガで病院に行く際、その費用を負担してもらえる仕組みなので、詳しくはバイト中のケガの治療費についての記事も参考にしてみてください。 働く前に知りたい税と社会保険の関連記事はこちら
健康保険とは?
厚生年金とは?
*1 ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html
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