場面緘黙とは?症状、原因、見分け方、治療法
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場面緘黙とは?家などでは普通に話せるのに、学校だと話したくても話すことができない。そのことでうまくいかず、悩んでいるーもしかしたらそれは場面緘黙かも?症状、原因、見分け方、治療法について説明します。
なぜ話したいのに話せないの?場面緘黙とは?
家の中では話せるのに、学校に行くと話せなくなってしまう。質問されたことには答えられるけど、自分からは話せない…
もしあなたがこんな症状に悩んでいる場合、場面緘黙かもしれません。
場面緘黙とは、家で家族とは話せるにもかかわらず、学校など他の集団の中では話せない症状を指します。正しくは、選択性緘黙と呼ばれますが、決して話さないことを選んでいる訳ではなく、話したくても話せないことに困っていることが特徴です。
私は変な子ですか?話したいのに話せない原因
話したいのに話せなかったり、あいさつや発表など、クラスの人ができていることが自分にできない時、「自分が変なのではないか?」とこわくなったりするかもしれません。場面緘黙の人は、話さないことで、自分の身を不安や恐怖から守っていると考えられています。つまり、話せないことは、ある意味人間のとても自然な反応なのです。緊張して手が震える人もいれば、こわい時に涙が出て止まらなくなる人もいます。同じように、場面緘黙の人たちは、不安や恐怖を感じた時に、話せなくなってしまうのです。黙っていることで気持ちが楽になると、不安を感じる他の場面でも、「黙っていれば安心だ」と感じます。そして、だんだんと黙っていることがクセになり、話せなくなる場面が増えてしまう、と考えられています。
場面緘黙の症状が起こるきっかけはさまざまですが、入学や転校など、環境の変化が影響することが多いと言われています。新しい環境で不安が高まるとき、その不安から自分を守るために話せなくなってしまうのです。
場面緘黙かどうかの見分け方
場面緘黙は、アメリカ精神医学会が発行している、『精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)』をまとめると、1 ある状況では話せるが、特定の状況では話せない
2 症状によって、学校や対人関係がうまく行かない
3 1ヶ月以上症状が続いている
4 話すことができないのは、その場面で求められる話し言葉の知識や話す楽しみが不足しているからではない
5 他の障害の影響によるものではない という5つを満たすことが基準となっています。
場面緘黙と恥ずかしがり屋な人の大きな違いとしては、場面緘黙の場合、話せる場所がとても限られていることが挙げられます。話したいのにどうしても話せない、声を出したくても声が出せないという感覚があるのであれば、場面緘黙かもしれません。
場面緘黙の治療法
場面緘黙は、症状がひどくなる前に、なるべく早く医療機関(精神科か心療内科)で治療することが必要です。でも、一気に頑張りすぎるのは禁物です。頑張って話そうとすればするほど、不安が大きくなり話せなくなってしまうかもしれません。まずは話せる人に相談してみる、これが第1ステップです。専門家でなくても学校の先生や、親、友達や恋人など、誰かに打ち明けて、一緒に相談に行くのもひとつです。もしまわりに相談できる人がいない場合、スクールカウンセラーや、保健室、もしくは各都道府県にある精神保健福祉センターか、教育相談センター(「教育相談センター ●●県」などで検索)にまずは相談してみるのも良いと思います。場面緘黙の人は、もともと不安になりやすい傾向があると言われています。小さいころから人見知りが激しかったりと、小さな刺激に大きな不安を感じやすい繊細さを持っています。不安になった時に、少し立ち止まり不安になったきっかけを考えてみると、より自分の不安に対処しやすくなるかもしれません。
もし周りで、場面緘黙で困っている人がいたら、一緒に先生やスクールカウンセラーのところへ相談に行ってあげるのもいいかもしれません。一緒にいて安心できる人がそばにいると、相談しやすくなることもありますよ。